報告書番号 | MA2009-6 |
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発生年月日 | 2008年04月05日 |
事故等種類 | 沈没 |
事故等名 | 漁船日光丸沈没 |
発生場所 | 青森県青森市久栗坂漁港沖 久栗坂港西防波堤灯台から真方位315°1,600m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡 |
船舶種類 | 漁船 |
総トン数 | 5~20t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2009年06月26日 |
概要 | 漁船日光(にっこう)丸は、船長ほか7人が乗り組み、ほたて養殖漁のため平成20年4月5日概ね02時ごろ青森県青森市久栗坂(くぐりざか)漁港を出港し、陸奥湾内同漁港沖合のほたて養殖施設で養殖ほたてを収穫して帰港中、03時44分ごろ沈没し、乗組員8人全員が死亡した。 |
原因 | 本事故は、夜間、A船が、久栗坂漁港沖において、操業を終えて帰港中、横波を受け、転覆又は大傾斜をしたため、船内に海水が流入して予備浮力を喪失し、沈没したことにより発生したものと考えられる。 転覆又は大傾斜したのは、次のことから発生した可能性があると考えられる。 (1) 波高1mを超える波を右横から受けることとなり、船体の同調横揺れを引き起こしたこと。 (2) 積載量が大きかったことにより乾舷が小さくなってブルワーク上端が水没する横傾斜角が小さくなり、同調横揺れ角と同程度となってブルワーク上端が水没し、水没したブルワーク部分が抵抗となり、船体が復原しなくなったこと。 (3) 外力として、荷崩れ、乗組員の移動及び横風の複合的影響を受け、積荷の偏積み及びクレーン振り出しによる重心上昇の影響もあり、これら外力に対する復原力が不足したこと。 船内に海水が流入して予備浮力を喪失したのは、魚倉等甲板上の開口部の閉鎖が行われていなかったことによる可能性があると考えられる。 また、乗組員が救命胴衣を着用していなかったこと及び海上保安庁への通報が遅れたことが、本件事故の被害拡大に関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:乗組員8人 |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。