JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-9
発生年月日 2010年03月18日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物船MEDEA漁船孝盛丸衝突
発生場所 愛知県名古屋港東航路南口沖  愛知県常滑市西方沖の伊勢湾灯標から真方位275°1,500m付近
管轄部署 事務局
人の死傷 負傷
船舶種類 貨物船:漁船
総トン数 30000t以上:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年09月28日
概要  貨物船MEDEAは、船長ほか24人が乗り組み、水先人の水先により名古屋港の東航路南西沖を伊良湖水道北口付近に向けて南西進中、また、漁船孝盛丸は、船長ほか1人が乗り組み、伊勢湾灯標西方沖を伊勢湾北部の漁場へ向けて西進中、平成22年3月18日20時30分ごろ東航路南口沖において両船が衝突した。
 孝盛丸は、船長及び乗組員が負傷し、転覆した。また、MEDEAは船首部に擦過傷を生じた。
原因  本事故は、夜間、名古屋港の東航路南西沖において、A船が水先人A1の水先により南西進中、B船が西進中、水先人A1が第6号灯浮標の東側を通過しようとして針路を左に変えてB船に接近することとなり、また、船長BがA船に気付かずにA船の前路に向けて航行したため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
 水先人A1が、第6号灯浮標の東側を通過しようとして針路を左に変えてB船に接近することとなったのは、水先人Cから、C船が第6号灯浮標の西側を通過する旨の連絡を受け、第6号灯浮標の西側を通過する予定を変更したことによるものと考えられる。
 船長Bが、A船に気付かずにA船の前路に向けて航行したのは、漂泊して行っていた操業の準備作業を終了したとき、及び航走するために操舵室に入ったとき、周囲の船舶の状況を肉眼で見たが、操舵室前面等の作業灯を点灯しており、また、暗順応していなかったことから、肉眼で他船を視認することが困難であったとともに、漂泊場所から約0.5M西方の第6号灯浮標北方の漁場に向けて右転して西進を開始したことによる可能性があると考えられる。
 船長Aが、適切な見張りを行わず、また、水先人A1からの汽笛吹鳴の指示を実行できなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。
 船長Bが、レーダーによる見張りを行わなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。
死傷者数 負傷:2人(孝盛丸船長及び孝盛丸乗組員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。