報告書番号 | MA2010-4 |
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発生年月日 | 2008年10月23日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | 貨物船しゅり漁船航平丸衝突 |
発生場所 | 沖縄県水納島南方沖 水納島灯台から真方位174°1.20海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡 |
船舶種類 | 貨物船:漁船 |
総トン数 | 5000~10000t未満:5~20t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2010年04月23日 |
概要 | 貨物船しゅりは、船長ほか10人が乗船し、沖縄県那覇市那覇港に向けて南進中、また、漁船航平丸(こうへいまる)は、船長ほか5人が乗船し、沖縄県最北端の硫黄鳥島(いおうとりしま)付近の漁場に向けて北進中、平成20年10月23日04時52分ごろ、同県水納島(みんなしま)南方沖において両船が衝突した。 航平丸は、3人が死亡し、船体が分断され、船首及び船体中央部分が転覆し、船尾部分が水没した。 しゅりには、船首部に擦過傷が生じたが、死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、夜間、沖縄県水納島南方沖において、A船が水納島東方水路を南進中、B船が水納島東方水路に向けて北進中、A船が、接近するB船を避けようとして、約19knの速力で航行しながら、右に約10°だけの針路変更を行い、また、B船が、接近するA船を避けようとして、約9knの速力で航行しながら、約2~3°の左への針路変更を繰り返し自動操舵で行ったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。 A船が約19knの速力で航行しながら、右に約10°だけの針路変更を行ったのは、航海士Aが、発光信号を行えば、B船が右転してA船を避けてくれることを期待し、B船に対する動静監視及び発光信号の発信に意識を集中していたことから、接近するB船との衝突を避けるため、右舵をとる時期が遅れ、また、大幅に減速し又は停止して衝突を避けることを思い付かなかったことによるものと考えられる。 B船が約9knの速力で航行しながら、約2~3°の左への針路変更を繰り返し自動操舵で行ったのは、操船者Bが、A船と右舷を対して通過できるものと思い込み、適切な見張りを行っていなかったことから、A船と進路が交差していることに気付いた際、衝突の危険を感じてパニック状態となり、右転するにはA船との距離が近過ぎるので左転して避けようとしたが、手動操舵にすることを思い付かず、また、大幅に減速し又は停止することも思い付かなかったことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:操船者3人(航平丸) |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。