JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-8
発生年月日 2011年07月17日
事故等種類 死傷等
事故等名 貨物船YUSHO SEVEN作業員死亡
発生場所 阪神港神戸区ポートアイランド北ふ頭外貿岸壁R  神戸市所在の神戸第3防波堤東灯台から真方位215°800m付近
管轄部署 事務局
人の死傷 死亡
船舶種類 貨物船
総トン数 1600~3000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年08月29日
概要  貨物船YUSHO SEVENは、阪神港神戸区のポートアイランド北ふ頭外貿岸壁Rでパイプ等の積荷役中、平成23年7月17日15時45分ごろ、1番貨物倉下甲板の右舷側に積み上げたパイプが荷崩れし、同パイプ上にいた作業員がパイプと共に同甲板上に転落して死亡した。
原因  本事故は、A船が阪神港神戸区の本件岸壁において、パイプ等の荷役中、5段目~7段目の本件パイプを含む梱包パイプが船横方向に滑り出したため、6段目の梱包パイプに上がっていた固縛作業員E1が梱包パイプと共に下甲板に転落し、身体の上に梱包パイプが落下したことにより発生したものと考えられる。
 5段目~7段目の本件パイプを含む梱包パイプが船横方向に滑り出したのは、荷役作業員C及び荷役作業員Dが右舷側壁と本件パイプの間にターンバックルを使用して隙間を作るために動かしたこと、B船からA船の船尾側のクレーンでコイルを吊り上げてA船が左舷側に約2.8°傾斜したこと、5段目からは梱包パイプであり、段差が若干であることから、船首側、中央及び船尾側にダンネージを各1本敷くのみとし、高さが調整されていなかったこと、右舷側にパイプを積み上げた後、固縛及び歯止めをすることとしており、パイプの固縛を行っていなかったこと、及び歯止めが施されていなかったことによるものと考えられる。
 荷役作業員C及び荷役作業員Dが、右舷側壁と本件パイプの間にターンバックルを使用して隙間を作ろうとしたのは、フォークリフトの爪先で本件パイプを押し込んだ際、側壁に立て掛けたダンネージの長さが足りず、本件パイプと側壁とが接し、側壁に溶接されたアイプレートに通したパイプの固縛用ワイヤロープが取り出せない状態となり、1番貨物倉責任者は、パイプ固縛用ワイヤロープが取り出せないことを固縛作業員E1から聞き、隙間を作ってパイプ固縛用ワイヤロープを取り出そうと思い、荷役作業員C及び荷役作業員Dに対し、本件パイプが動くか試すように指示を行ったことによるものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(固縛作業員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。