報告書番号 | MA2012-8 |
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発生年月日 | 2010年12月01日 |
事故等種類 | 死傷等 |
事故等名 | 自動車運搬船VEGA LEADER作業員負傷 |
発生場所 | 京浜港横浜第5区日産自動車本牧専用埠頭 神奈川県横浜市所在の日産本牧ふとう灯台から真方位305°200m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 負傷 |
船舶種類 | 貨物船 |
総トン数 | 30000t以上 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2012年08月31日 |
概要 | 自動車運搬船VEGA LEADERは、京浜港横浜第5区の日産自動車本牧専用埠頭において、貨物車両の積込み作業中、平成22年12月1日09時50分ごろ、設置高さが変更された第7カーデッキのデッキパネルに貨物車両を積載していたところ、同デッキパネルが第6カーデッキに落下し、同デッキパネルで荷役作業を行っていた作業員6人及び同デッキパネル直下の第6カーデッキで荷役作業を行っていた作業員4人の合計10人が負傷した。 |
原因 | 本事故は、本船が、京浜港横浜第5区の日産自動車本牧専用埠頭において貨物車両を積載中、リフタブルデッキである第7カーデッキの本件デッキパネルがデッキサポート2によって支持されていなかったため、本件デッキパネルへの貨物車両の積載が進行してサイドストリンガーの上に重なった部分で本件デッキパネルを支持していた水平ガイド板2及び水平ガイド板3に加わる荷重が増加するのに伴い、両水平ガイド板と本件デッキパネルとの溶接部に破断荷重を超える荷重が作用して溶接線が破断し、本件デッキパネルが、船首右舷側に傾斜して全てのデッキサポートから外れ、第6カーデッキに落下して本件デッキパネル及び本件デッキパネル直下の第6カーデッキで作業中の作業員が負傷したことにより発生した可能性があると考えられる。 本件デッキパネルがデッキサポート2によって支持されていなかったのは、本船が、苅田港へ向けて航行中、第7カーデッキ等においてパネル作業が行われ、本件デッキパネルがミドルポジションからノーマルポジションに変更されたが、デッキサポート2が、完全に倒れておらず、本件デッキパネルを支持する状態になっていないことに気付かずに本件デッキパネルが降下され、デッキサポート2が本件デッキパネルの外側に外れたことによる可能性があると考えられる。 デッキサポート2が完全に倒れておらず、本件デッキパネルを支持する状態になっていないことに気付かなかったのは、一等航海士Aが、ノーマルポジションのデッキサポートがノーマルポジションより下に落下させない安全装置の機能を有しているので、常に倒して格納せず、デッキパネルを支持できる状態としていたことから、パネル作業において、ノーマルポジションのデッキサポートが本件デッキパネルを支持できる状態になっているものと思い込み、その状態の確認に意識が向かなかったことによる可能性があると考えられる。 船舶管理会社が、安全管理マニュアルにパネル作業に関する具体的な作業手順書を定めておらず、本船においてデッキパネルを降下させる前にチェックリストを使用するなどしてデッキサポートの状態を確認する体制が採られていなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:10人(作業員) |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。