
| 報告書番号 | MA2025-8 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2024年04月09日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 作業台船SEAON №3作業員死亡 |
| 発生場所 | 長崎県佐世保港第1区(平瀬地区) 佐世保港弁天島灯台から真方位357°1.0海里付近 |
| 管轄部署 | 長崎事務所 |
| 人の死傷 | 死亡 |
| 船舶種類 | 非自航船:引船・押船:作業船 |
| 総トン数 | 500~1600t未満:5~20t未満:5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2025年08月28日 |
| 概要 | 作業台船SEAON NO.3は、作業員2人が乗り、佐世保港第1区の岸壁に着岸中の船舶に接舷して同船舶から受け入れた生活排水の浄化作業中、令和6年4月9日10時05分ごろ、作業員2人が、タンク内に入って心肺停止の状態となり、病院に搬送されたが死亡した。 |
| 原因 | 本事故は、A船が、佐世保港第1区において、岸壁に着岸中のD艦に接舷してD艦から受け入れた生活排水の排水浄化作業中、作業員A1及び作業員A2が、作業主任者Aの指示を仰ぐことなく3番タンク内に落下した袋状フィルターをタンク内に入って回収しようとした際、事前にタンク内のガス濃度の測定を行わなかったため、タンク内に入った作業員A2が高濃度の硫化水素を含む空気を吸入し、また、作業員A2を救出しようとタンク内に入った作業員A1も同空気を吸入したことにより発生したものと考えられる。 3番タンクは、数箇月間タンク内清掃作業が行われないまま閉鎖されていたことから、タンク底部の汚泥中の好気性菌によりタンク内の酸素濃度が低下するとともに、硫酸還元菌によりタンク内や汚泥中に硫化水素が存在する状況で、作業員A2が汚泥を踏みつけ、硫化水素が放出されてタンク内の硫化水素の濃度が更に高まったものと考えられる。 作業員A1及び作業員A2が、作業主任者Aの指示を仰がず、また、事前にガス濃度の測定を行わなかったのは、次のことによる可能性があると考えられるが、作業員A1及び作業員A2が死亡しており、これらの状況を明らかにすることができなかった。 (1) タンク内に入る場合は、硫化水素中毒や酸素欠乏症にかかるおそれがあることから、作業員A1及び作業員A2はあらかじめ作業主任者Aの許可を得る必要があったが、作業主任者Aが休暇を取得していたことから、作業主任者Aへの連絡を遠慮したこと。 (2) 3番タンクは浄化処理を終えた処理水を貯留するタンクであり、タンク内では体に危険を及ぼすような濃度の硫化水素が発生したり酸素濃度の低下が起こったりしておらず、また、袋状フィルターは短時間で回収できるので、硫化水素中毒や酸素欠乏症にかかるおそれはないと思ったこと。 作業員A1及び作業員A2は、3番タンク内において硫化水素中毒や酸素欠乏症にかかるリスクを過小評価していた可能性があると考えられ、また、作業主任者Aの許可を得ないまま、事前に換気及びガス濃度の測定を行わずにタンク内に入ったが、これらのことは、A社及びE社が、作業上のリスクを適切に評価するための措置や作業手順遵守の徹底を図るための措置を講じていなかったことが関与したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 死亡:作業員2人(作業台船SEAON No.3) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。