
| 報告書番号 | MA2025-2 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2023年12月12日 |
| 事故等種類 | 浸水 |
| 事故等名 | 旅客船ヴィーナス2浸水 |
| 発生場所 | 長崎県壱岐市魚釣埼東北東方沖 魚釣埼灯台から真方位073°1.48海里付近 |
| 管轄部署 | 門司事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | 旅客船 |
| 総トン数 | 100~200t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2025年02月20日 |
| 概要 | 旅客船ヴィーナス2は、船長及び機関長ほか3人が乗り組み、旅客47人を乗せ、水中翼の揚力によって船体を海面上に浮上させ、長崎県壱岐市魚釣埼東北東方沖を同市芦辺港に向けて約38ノットの対地速力で南進中、令和5年12月12日08時01分ごろ船首部から波の谷間に突っ込み、1階客室の船首水中翼点検口の蓋が外れて同点検口から大量の海水が流入し、1階客室等が浸水した。 ヴィーナス2は、旅客4人が負傷し、1階客室及び前部補機室に浸水、1階客室の船首水中翼点検口の蓋の脱落、同室天井の凹損を生じた。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、強風及び波浪注意報が発表され、風速約17m/sの北北東風による風浪と同風浪の壱岐島での反射による波とがぶつかり合って急峻な波が発生するおそれがある魚釣埼東北東方沖において、船長が、タッキングによる操船を行えば安全に航行できると思い、追い波を追い越す状態で南進を続けたため、波高約3mを超え深い谷を伴う急峻な波に遭遇した際、船首水中翼が波の斜面を飛び出し、揚力を失った状態で船首部が落下して、船首部が前方の波の谷間に突っ込み、衝撃水圧によって1階客室の点検口の蓋が外れて同点検口から同室に大量の海水が流入して浸水し、1階客室から主甲板下の前部補機室へと浸水が拡大したことにより発生したものと考えられる。 本船が、強風及び波浪注意報が発表され、風速約17m/sの北北東風による風浪と同風浪の壱岐島での反射による波とがぶつかり合って急峻な波が発生するおそれがある魚釣埼東北東方沖を航行したのは、船長が、A社の安全管理規程に定める目的地への航行の継続を中止する気象及び海象条件に達する前に魚釣埼沖を通過し終えると思っていたことによるものと考えられる。 船長が、タッキングによる操船を行えば安全に航行できると思ったのは、これまで超高速船の船首部が波の谷間に突っ込んでも点検口の蓋が外力によって外れた経験がなく、点検口の蓋が外力によって外れるとは思っていなかったことによるものと考えられる。 本船が、波高約3mを超え深い谷を伴う急峻な波に遭遇したのは、強風及び波浪注意報が発表され、風速約17m/sの北北東風による風浪と同風浪の壱岐島での反射による波とがぶつかる状態で高い波が立ちやすい状況であった可能性があると考えられ、魚釣埼東北東方沖における地形的特色によるものであった可能性があると考えられる。 点検口の蓋は、揚力を失った状態で船首部が落下し、船首部が前方の波の谷間に突っ込んだ際、衝撃水圧によって六角ボルトに曲損、六角ボルト及びスプリング状コイルのねじ山に破損を生じたことにより外れた可能性があると考えられるが、客観的な情報を十分に得られず、点検口の蓋が外れた詳細な状況を明らかにすることはできなかった。 1階客室から主甲板下の前部補機室へと浸水が拡大したのは、前部補機室の右舷発電機配電盤上方の壁面に配線を通す際に開けた穴が完全に塞がれておらず、1階客室床のトイレ付近の隙間から前部補機室まで穴が貫通しており、1階客室床のトイレ付近が水密構造となっていなかったことによるものと推定される。 |
| 死傷者数 | 負傷:旅客4人 |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。