報告書番号 | MA2023-10 |
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発生年月日 | 2023年04月09日 |
事故等種類 | 火災 |
事故等名 | 旅客船にぃぬふぁぶし火災 |
発生場所 | 沖縄県石垣市石垣港内 石垣港サザンゲートブリッジ橋梁灯(R1灯)から真方位302°300m付近 |
管轄部署 | 那覇事務所 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 旅客船 |
総トン数 | 20~100t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2023年09月28日 |
概要 | 旅客船にぃぬふぁぶしは、船長、機関長ほか甲板員1人が乗り組み、沖縄県石垣市石垣港内でシフト作業中、令和5年4月9日14時15分ごろ、機関室左舷船尾部から火災が発生した。 にぃぬふぁぶしは、機関室照明系統の蛍光灯灯具及び関連電気配線の焼損等を生じたが、死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、にぃぬふぁぶしが、船長らが機関室にあった就航以来の交流(AC)100Vの機関室照明系統の電路(以下「本件照明電路」という。)における絶縁抵抗値の低下を知らない状態において、石垣港内でシフト作業中、機関室の左舷船尾部の蛍光灯灯具(以下「本件灯具」という。)に接続した電気配線が、被覆の劣化及び破損した箇所に導通を生じたため、高熱になって被覆が燃え、本件灯具側から約500mmの下流側の箇所で絶縁抵抗が低下し、短絡して短絡電流が流れ、本件照明電路のビニル防食被覆等を伝って燃え広がり、他の電路及び本件灯具上方にあった天井の断熱材に引火し、船体に延焼した可能性があると考えられる。 船長らが機関室にあった就航以来の本件照明電路の絶縁抵抗値の低下を知らなかったのは、本船は、船舶検査において、絶縁抵抗試験を電気関係の外部業者に発注して実施し、同検査に合格していたことから、にぃぬふぁぶし及びその船舶所有者では、電路の絶縁抵抗値に不具合がないとみなして、絶縁抵抗試験の数値の確認を行わず、絶縁抵抗値が低下した本件照明電路の電気配線の新替えなどの保守整備を行っていなかったことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。