報告書番号 | MA2021-4 |
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発生年月日 | 2019年07月22日 |
事故等種類 | 乗揚 |
事故等名 | 貨物船AZUL CHALLENGE乗揚 |
発生場所 | 愛媛県今治市中渡島西側の浅所 中渡島灯台から真方位017°180m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船 |
総トン数 | 30000t以上 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2021年04月22日 |
概要 | 貨物船AZUL CHALLENGEは、船長ほか20人が乗り組み、水先人を乗せて瀬戸内海を東進し、広島県福山港に向けて愛媛県今治市馬島沖の来島海峡中水道を南進中、令和元年7月22日09時28分ごろ今治市中渡島西側の浅所に乗り揚げた。 本船は、1~7番バラストタンク左舷側外板に凹損等を生じたが、死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、本船が、通峡における第一の難所である来島海峡航路において、南流に転流後の中水道に向かって右転した際、回頭が緩慢であったため、圧流されて航路の東側側線を越えて航路外に出され、引き続き右回頭が緩慢な状態で中渡島西側に接近し、中渡島西側の浅所に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。 本船の回頭が緩慢であったのは、AZUL CHALLENGEの水先人が、馬島に近づかない操船をする上で、舵角指示による操船指針とは異なる針路指示により操船を行ったことによるものと考えられる。 引き続き右回頭が緩慢な状態で中渡島西側に接近したのは、AZUL CHALLENGEの水先人が、航路外に出た後も目視のみで船位を確かめながら針路指示により操船を続け、また、AZUL CHALLENGEの操舵手が、針路指示されたことにより、大きな舵角を取らなかったことによるものと考えられる。 AZUL CHALLENGEの船長が、特殊な流れがある来島海峡の中水道を東航で通航するのは初めてであり、AZUL CHALLENGEの水先人の技量を信頼して操船を委ねるしかないと思い、本船が航路外に出された後も、安全管理マニュアルに定める、速やかにAZUL CHALLENGEの水先人に操船の助言を行い、躊躇わずに操船指揮を行わなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。