JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2021-3
発生年月日 2019年06月10日
事故等種類 衝突
事故等名 ロールオン・ロールオフ貨物船PANSTAR GENIE引船大東丸衝突
発生場所 京浜港東京第3区  東京西防波堤灯台から真方位347°950m付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 貨物船:引船・押船
総トン数 その他:その他
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2021年03月25日
概要  ロールオン・ロールオフ貨物船PANSTAR GENIEは、船長ほか16人(大韓民国籍7人、フィリピン共和国籍9人)が乗り組み、京浜港東京第2区品川ふ頭を離岸し、愛知県名古屋港に向けて南東進中、また、引船大東丸は、船長が1人で乗り組み、京浜港東京第2区芝浦物揚場を離岸し、京浜港横浜区大黒ふ頭に向けて南東進中、令和元年6月10日19時25分ごろ、京浜港東京第3区東京西航路北口付近において、両船が衝突した。
 PANSTAR GENIEは、両舷船首部の外板に擦過傷を、また、大東丸は、マストの折損等をそれぞれ生じたが、両船ともに死傷者はいなかった。
原因  本事故は、日没後の薄明時、京浜港東京第3区において、強雨の影響により周囲が暗く視認が困難となった状況下、PANSTAR GENIE及び大東丸が共に南東進中、PANSTAR GENIEが、船尾方から接近して左舷側を並走した後に船首付近を航行していた大東丸に気付かずに徐々に増速しながら航行を続け、また、大東丸が、離岸後に南東進しているPANSTAR GENIEに気付かずに一定の速力で航行を続けたため、両船が衝突したものと考えられる。
 PANSTAR GENIEがB船に気付かずに航行を続けたのは、強雨の影響により周囲が暗く視認が困難であったこと、及び小型船の大東丸が船尾方からPANSTAR GENIEに接近し、PANSTAR GENIEのレーダーの最小探知距離内を航行することとなった後、操舵室内からの死角内を航行していたことによるものと考えられる。
 PANSTAR GENIEが、強雨の影響により周囲の視認が困難な状況下において、南東進を開始する前に出航部署を解除したことは、PANSTAR GENIEが大東丸に気付かなかったことに関与した可能性があるものと考えられる。
 大東丸が離岸後に南東進しているPANSTAR GENIEに気付かずに航行を続けたのは、大東丸の船長がPANSTAR GENIEの初認時に、PANSTAR GENIEが入港船であり、京浜港東京第2区品川ふ頭へ着岸したものと思い込み、動静の監視を継続していなかったことによるものと考えられる。
 大東丸の船長が、PANSTAR GENIEが接近していることに気付かなかったことについては、強雨の影響により周囲が暗く視認が困難であったこと並びに大東丸の主機の運転音及び本事故当時の雨音が関与したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。