報告書番号 | MA2020-11 |
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発生年月日 | 2019年06月26日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | 貨物船ジェイケイⅢ掃海艇のとじま衝突 |
発生場所 | 広島県三原市佐木島西方沖 寅丸礁灯標から真方位288°830m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船:公用船 |
総トン数 | 500~1600t未満:500~1600t未満 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2020年12月17日 |
概要 | 貨物船ジェイケイⅢは、船長ほか4人が乗り組み、広島県福山市福山港に向けて北東進中、また、掃海艇のとじまは、艇長ほか40人が乗り組み、広島県呉市呉港に向けて南南西進中、令和元年6月26日23時55分ごろ、広島県三原市佐木島西方沖において、両船が衝突した。 ジェイケイⅢは、球状船首に凹損等を生じ、のとじまは、右舷船尾部外板の破口等を生じたが、両船共に死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、夜間、広島県三原市佐木島西方沖において、ジェイケイⅢが北東進中、のとじまが南南西進中、ジェイケイⅢの航海士が、のとじまと左舷対左舷で通過しようと思い、青木瀬戸の中央付近を航行し続け、また、のとじまの当直士官が、ジェイケイⅢと左舷対左舷で通過することに不安を感じて右舷対右舷で通過することとし、のとじまの艇長に左転することを申し述べてのとじまの艇長から許可を得たと思い、小佐木島から寅丸礁灯標の西側の海域の中央付近を航行し続けたため、両船が衝突したものと考えられる。 ジェイケイⅢの航海士が、のとじまと左舷対左舷で通過しようと思い、青木瀬戸の中央付近を航行し続けたのは、ふだんから同瀬戸の中央付近に表示されていたレーダーの予定針路線に沿って航行し、反航船と左舷対左舷で通過していたことから、そのうちのとじまが右転して青木鼻に寄って南西進するものと思い込んでいたことによるものと考えられる。 のとじまの当直士官が、ジェイケイⅢと左舷対左舷で通過することに不安を感じたのは、ジェイケイⅢが青木鼻寄りを航行しているように見えたこと、及び青木鼻付近の10m等深線を近くに感じて気になっていたことによるものと考えられる。 のとじまの当直士官が、ジェイケイⅢと右舷対右舷で通過することとして小佐木島から寅丸礁灯標の西側の海域の中央付近を航行し続けたのは、ジェイケイⅢが左転して青木鼻に寄って北進すると思い込んでいたことによるものと考えられる。 のとじまの当直士官が、のとじまの艇長に左転することを申し述べてのとじまの艇長から許可を得たと思ったのは、操艦に関してのとじまの艇長に信頼されていると思っており、本事故当時、自分の操艦に対して指導がなかったことから、容認されていると解釈していたものと考えられる。 ジェイケイⅢ及びのとじまが、VHFを使用して互いに航行に関する情報を得ていなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。 のとじまの艇長が、覚醒水準が低下して居眠りに陥り、のとじまの当直士官を適切に指導していなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。