報告書番号 | MA2021-2 |
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発生年月日 | 2019年03月21日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | コンテナ船APL GUAMコンテナ船MARCLIFFコンテナ船HANSA STEINBURG衝突 |
発生場所 | 京浜港横浜第5区YL4錨地 東京湾中ノ瀬西方第2号灯標から真方位344°1.1海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船:貨物船:貨物船 |
総トン数 | 10000~30000t未満:5000~10000t未満:10000~30000t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2021年02月18日 |
概要 | コンテナ船APL GUAMは、船長ほか20人が乗り組み、水先人の水先により京浜港横浜第5区のYL4錨地内の予定錨地に向けて北進中、コンテナ船MARCLIFFは、船長ほか15人が乗り組み、愛知県名古屋港に向けて南南東進中、平成31年3月21日23時27分ごろ、YL4錨地において、両船が衝突し、その後、MARCLIFF が、船長ほか19人が乗り組んで錨泊中のコンテナ船HANSA STEINBURGに衝突した。 APL GUAM は、船首部外板に破口を伴う凹損等を生じ、MARCLIFF は、船首部外板及び右舷船首部外板に凹損等を生じ、HANSA STEINBURG は、右舷船首部外板に破口を伴う凹損等を生じたが、各船共に死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、夜間、錨泊船が存在し、狭隘となった京浜港横浜第5区の錨地内において、APL GUAM が予定錨地に向けて北進中、MARCLIFF が中ノ瀬西方海域に向けて南南東進中、APL GUAM 及びMARCLIFF が、錨泊中のHANSA STEINBURG ともう1隻の錨泊船との間で進路が交差し、衝突の危険度が高まる状況下、APL GUAM の船長及び水先人が、MARCLIFF と左舷対左舷で航過しようとし、また、MARCLIFF の船長が、APL GUAMと右舷対右舷で航過しようとし、互いに接近するまで同じ針路及び速力で航行を続けたため、APL GUAM とMARCLIFF とが衝突し、その後、MARCLIFF が、前進行き足のある中、左回頭して南東進したことにより、HANSA STEINBURG に衝突したものと考えられる。 APL GUAM の船長及び水先人が、MARCLIFF と左舷対左舷で航過しようとし、MARCLIFF と接近するまで同じ針路及び速力で航行を続けたのは、右転したMARCLIFFが、APL GUAM とHANSA STEINBURG との間の狭い海域を航行することはなく、再度右転してAPL GUAM と左舷対左舷で航過すると予測したことによるものと考えられる。 MARCLIFF の船長が、APL GUAM と右舷対右舷で航過しようとし、APL GUAM と接近するまで同じ針路及び速力で航行を続けたのは、APL GUAM が針路及び速力を維持していればAPL GUAM と右舷対右舷で無難に航過すると予測していたことによるものと考えられる。 APL GUAM 及びMARCLIFF は、それぞれの進路が交差して衝突の危険度が高まる状況下において、早期に国際VHF無線電話装置(VHF)による交信を行うことにより、互いの操船意図を確認して早期に減速するなど、衝突を避けるための措置を講じることができたものと考えられることから、両船がVHFによる交信を行わずに航行を続けたことは、本事故の発生に関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。