報告書番号 | MA2019-3 |
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発生年月日 | 2018年04月08日 |
事故等種類 | 爆発 |
事故等名 | ケミカルタンカーGOLDEN SUNNY HANA爆発(貨物油タンク) |
発生場所 | 大分県国東市国東港南東方沖 国東港南防波堤灯台から真方位111°5.0海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 負傷 |
船舶種類 | タンカー |
総トン数 | 1600~3000t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2019年03月28日 |
概要 | ケミカルタンカーGOLDEN SUNNY HANAは、船長ほか14人が乗り組み、貨物油タンクの洗浄作業を行いながら、大分県国東港南東方沖を南東進中、平成30年4月8日10時05分ごろ貨物油タンクで爆発が発生した。 GOLDEN SUNNY HANAは、甲板員2人が負傷し、貨物油タンクの破口等を生じた。 |
原因 | 本事故は、GOLDEN SUNNY HANAが、大分県国東港南東方沖において貨物油タンクの洗浄作業中、2番左舷側貨物油タンク及び2番右舷側貨物油タンク底部にたまった液体を貨物油タンクに設置されたポンプでくみ上げてバタワース洗浄機で噴射することを繰り返す作業を行う際、気化したパイロリシスガソリンと空気との可燃性混合気体が爆発範囲で存在していたことに気付かず、2番左舷側貨物油タンクに蒸気を注入したため、2番左舷側貨物油タンクで爆発が発生したものと考えられる。 2番左舷側貨物油タンクに気化したパイロリシスガソリンと空気との可燃性混合気体が爆発範囲で存在していたことに気付かなかったのは、貨物油タンクの洗浄作業前に2番左舷側貨物油タンク内のガス濃度の測定が行われなかったことによるものと考えられる。 可燃性混合気体が爆発範囲で存在したのは、揚げ荷役後のガス濃度測定で爆発範囲であったものの換気等の措置を行わず、その後、2番左舷側貨物油タンク及び2番右舷側貨物油タンクにパイロリシスガソリンがそれぞれ約30ℓ残る状況下、カーゴライン及び貨物油タンク底部のフラッシングが行われ、気化したパイロリシスガソリンが貨物油タンク外に排出されずにガス濃度が時間の経過に伴い更に上昇し、空気と混合したことによる可能性があると考えられる。 2番左舷側貨物油タンク内に蒸気が注入されたのは、貨物油タンク底部にたまった液体を貨物油タンクに設置されたポンプでくみ上げてバタワース洗浄機で噴射することを繰り返す作業で使用する海水の温度を上げようとしたことによるものと考えられる。 2番左舷側貨物油タンクで爆発が発生したのは、2番左舷側貨物油タンクに可燃性混合気体が爆発範囲で存在している状況下、2番左舷側貨物油タンクに帯電した蒸気が注入されて放電し、火花を生じて可燃性混合気体に着火した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:甲板員2人 |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。