JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2019-2
発生年月日 2018年04月05日
事故等種類 死傷等
事故等名 旅客フェリーゆうかり乗組員負傷
発生場所 新潟県新潟港西区 新潟港臨港灯台から真方位182°1,270m付近
管轄部署 事務局
人の死傷 負傷
船舶種類 旅客船
総トン数 10000~30000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2019年02月28日
概要  旅客船ゆうかりは、船長ほか31人が乗り組み、新潟県新潟市新潟港西区山の下ふ頭南側岸壁で車両の積込み作業中、平成30年4月5日22時15分ごろ、車両甲板において、作業指揮に当たっていた二等航海士が、後進するトレーラー(ヘッド(シャーシをけん引する車両)とシャーシが連結された状態のもの)の右後輪に両足をひかれて両下腿コンパートメント症候群等の重傷を負った。
原因  本事故は、夜間、旅客フェリーゆうかりが、山の下ふ頭南側岸壁において、下部車両甲板で車両の積込み作業中、作業指揮に当たっていた二等航海士が、船尾ゲート付近で待機しているトレーラーの後方至近に背を向けた姿勢で接近し、また、トレーラーが後進を始めたため、トレーラーの右後輪に二等航海士が両足をひかれたことにより発生したものと考えられる。
 二等航海士がトレーラーの後方至近に背を向けた姿勢で接近したのは、旅客フェリーゆうかりでは車両積込み作業中、作業指揮者である二等航海士が、バラスト制御装置の操作を行っている間、作業全体を把握できておらず、本件トレーラーに気付いていなかったこと、また、4番線に誘導されているトラックが気になり、同トラックを見ながら移動していたことから、船尾ゲート付近で待機しているトレーラーに注意を向けていなかったことによるものと考えられる。
 トレーラーが後進を始めたのは、新日本海フェリー株式会社では車両から適切な距離で笛及び手合図を併用して車両を誘導するなどの安全運航マニュアルの遵守が乗組員に徹底されておらず、乗組員によっては運転手が手合図を確認できない距離で誘導を開始することがあったことから、本事故当時、乗組員による誘導が開始されていなかったものの、トレーラー運転手が、6番線付近に乗組員が見えて笛が聞こえた際、トレーラーの誘導が開始されたと思ったことによるものと考えられる。
死傷者数 負傷:二等航海士
勧告・意見
情報提供 関係行政機関等への情報提供
動画(MP4)

備考 関係団体等への周知協力依頼
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。