報告書番号 | MA2018-8 |
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発生年月日 | 2017年08月07日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | 貨物船ASIAN BEAUTY液化ガスばら積船ゼウス衝突 |
発生場所 | 香川県三豊市詫間港外(港界外付近) 詫間港須田一文字防波堤東灯台から真方位328°1.4海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船:タンカー |
総トン数 | 10000~30000t未満:1600~3000t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2018年08月30日 |
概要 | 貨物船ASIAN BEAUTYは、船長ほか20人が乗り組み、香川県三豊市詫間港で単錨泊中に走錨したので揚錨後、再投錨したものの、効果を得られず、揚錨中に操船が困難となり、圧流されて平成29年8月7日06時08分ごろ同港付近に錨泊中の液化ガスばら積船ゼウスに衝突した。 ASIAN BEAUTYは、左舷前部外板の凹損等を生じ、また、ゼウスは右舷船首部外板の凹損等を生じたが、両船共に死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、ASIAN BEAUTYが、台風5号の接近により、四国北方沖を含む瀬戸内海に海上暴風警報が発表されている状況下、荷役待機のために詫間港で単錨泊中に走錨したので、ASIAN BEAUTYの船長が、揚錨後、安全な海域へ避難せずに、再びASIAN BEAUTYの代理店に指示された三玉岩灯標から275°1,500m付近の投錨地点付近に戻って再投錨したため、効果を得られず、揚錨中に操船が困難となり、圧流されてゼウスに衝突したものと考えられる。 ASIAN BEAUTYの船長が安全な海域へ避難せずに、再びASIAN BEAUTYの代理店に指示された三玉岩灯標から275°1,500m付近の投錨地点付近に戻って再投錨したのは、ASIAN BEAUTYの船長が、錨泊を続けることが荒天を回避する適切な手段ではないことを理解していなかったことによるものと考えられる。 ASIAN BEAUTYが走錨したのは、ASIAN BEAUTYの船長が、台風5号の接近により荒天となる予報を入手していたものの、荒天時に必要な錨鎖の伸出量及び強風に対する手段を理解しておらず、単錨泊を続けたことによるものと考えられる。 ASIAN BEAUTYの操船が困難となったのは、周囲に他船が錨泊して混雑している海域で再投錨し、錨の効果を得られなかったので揚錨中に機関を極微速力前進から微速力前進に使用し、低負荷運転の状態としていたことにより、姿勢を制御できなかった可能性があるものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。