報告書番号 | RI2021-2-1 |
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発生年月日 | 2020年12月30日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 山口線 本俣賀駅構内(単線)[島根県益田市] |
事業者区分 | JR |
事業者名 | 西日本旅客鉄道株式会社 (法人番号 1120001059675) |
事故等種類 | 車両障害 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 島根県 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2021年12月16日 |
概要 | 西日本旅客鉄道株式会社山口線の益田駅発山口駅行き1両編成の上り第2556D列車の運転士は、令和2年12月30日、本俣賀駅のホームへ入線途中の停止ブレーキ操作中に戸閉表示灯等が滅灯していることを認めた。列車が同駅に停止した後、同運転士は車内点検を行い、ホームの反対側である右側の後方のドアが7割程度開扉していることを確認した。このため、同運転士は当該ドアの施錠を行い、輸送指令に報告した後、運転を継続した。 列車には乗客7名と乗務員1名(運転士)が乗車していたが、線路への転落等による負傷者はいなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、列車の走行中に開いたドアの戸閉機械の弁室体D弁において、座ぐりに圧入されていた弁座枠が座ぐりから外れたことによって、戸閉機械閉シリンダ内の圧縮空気が大気中に流出したため、引戸の押付力が低下し、ブレーキ操作によって生じた慣性力よりも小さくなったために発生したものと推定される。 座ぐりに圧入されていた弁座枠が座ぐりから外れたことについては、以下の状況が関与したものと考えられる。 1.戸閉機械閉シリンダ内に圧縮空気がない状態では、ばねの復元力による上向きの力が切換弁Aに加わり、弁座枠にも間接的に上向きの力が加わった可能性があること、D弁の座ぐりの側面と弁座枠の側面は通常の圧入時より摩擦力が小さく、弁座枠はせり上がり易い状況だったこと。 2.弁座枠下面と座ぐり底面との間には空間があったことから、車両の運用中でドアが閉扉している(戸閉機械閉シリンダ内に圧縮空気がある)間は、弁座枠下面には弁座枠を押し上げる想定外の力が加わっている状況であったこと。 3.切換弁Aと弁座枠との接触部分に想定外の力が長期間加わっていたことから、切換弁Aと弁座枠は強く圧着した可能性があること。 4.1~3の状況によって弁座枠が座ぐり内をせり上がる際に、弁座枠がばねの内側を通ることができ、かつねじ栓の下面と切換弁Bの上端の間に弁座枠下面が座ぐりの上端までせり上がることが出来る空間があったこと。 以上、1~3の状況が長期間繰り返されて、座ぐり内を徐々にせり上がっていた弁座枠下面が本重大インシデント発生時に座ぐりの上端を越えた結果、戸閉機械閉シリンダ内の圧縮空気が漏気し、その際の気流の風圧によって弁座枠と切換弁Aの圧着が解けて弁座枠が落下し、弁座枠が側面を上に向けた状態で座ぐり内に収まった可能性があると考えられる。 また、列車の運転士が始発駅を出発する前にドアから漏気があったこと及び戸閉表示灯が点灯するまでの時間が通常より長いことを認識していたものの、ドアが閉扉したことから指令員又は駅長等関係箇所へ連絡せずに出発したため、本重大インシデントの発生を防ぐ機会を活かせなかったものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |