報告書番号 | RA2021-1-1 |
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発生年月日 | 2019年06月01日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 金沢シーサイドライン 新杉田駅構内[神奈川県横浜市] |
事業者区分 | 第三セクター |
事業者名 | 株式会社横浜シーサイドライン (法人番号 7020001006954) |
事故等種類 | 鉄道人身障害事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | 負傷 |
都道府県 | 神奈川県 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2021年02月18日 |
概要 | 株式会社横浜シーサイドラインの金沢シーサイドライン新杉田駅発並木中央駅行き5両編成の下り第2009B列車は、令和元年6月1日(土)、無人の自動運転で始発の新杉田駅を定刻(20時15分)に出発したところ、列車の進行方向である下りと反対方向の上りに発車して、線路終端部の車止めに衝突した。 列車には乗客25名が乗車しており、そのうち17名が負傷した。 |
原因 | 本事故は、新杉田駅における折り返し時に、本件列車が列車の進行方向である下りと反対方向の上りに発車して、線路終端部の車止めに衝突したため発生したものと認められる。 本件列車が進行方向の設定と意図せず力行して逆の方向に発車したことは、列車の進行方向をモーター制御装置に伝える指令線のF線が1両目で断線して無加圧状態となり、2000型車両のモーター制御装置が進行方向のメモリ機能で維持していた上り方向にモーターを駆動したためと推定される。さらに駅ATO車上装置がモーター制御装置への入力とは別の運転台選択用の指令線の加圧状態により進行方向状態を地上に送信していたため、駅ATO地上装置は列車の進行方向が正常に設定されたと認識し、また後退検知機能や他の手法により本事故のような逆走を検知する機能がなかったため、非常停止などの対応ができなかったものと考えられる。 F線が断線したのは、機器室内のF線を含むケーブル束に電線側の保護材の取付けが十分に行われずに配線され、ステンレス製の妻土台に接触していたが、配線作業後に検査されなかった結果、車両の走行中の振動により妻土台の上面との摩擦でF線の絶縁体が徐々に摩耗して妻土台に地絡したためと考えられる。 本事故の背景には、2000型車両の設計・製造プロセスにおいて、同社、車両メーカー及び装置メーカーの間で設計体制、基本的な考え方、仕様等の認識に関する確認・調整や、設計前に安全要件の抽出が十分に実施されなかったために、逆走の発生に対する危険な事象の潜在的な原因が発生し、また、安全性の検証が不足したため、この危険な事象の潜在的な原因があることや、逆走等の異常状態に対する安全確保が不足していたことに気付かなかった可能性が考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:17名(乗客) |
勧告・意見(建議) | 勧告・意見 |
情報提供 | 国土交通省鉄道局への情報提供 |
動画(MP4) | |
備考 |