報告書番号 | RA2017-1-1 |
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発生年月日 | 2016年04月15日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 越美南線 母野駅~洲原駅間(単線)[岐阜県美濃市] |
事業者区分 | 第三セクター |
事業者名 | 長良川鉄道株式会社 (法人番号 4200001019429) |
事故等種類 | 列車脱線事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | 負傷 |
都道府県 | 岐阜県 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2017年02月23日 |
概要 | 長良川鉄道株式会社の越美南線北濃駅発美濃太田駅行き1両編成の上り1020列車は、平成28年4月15日(金)、ワンマン運転により母野駅を定刻(19時23分)に出発した。 その後、列車の運転士は母野駅から洲原駅間を速度約50km/hで惰行運転中、須原トンネル内で異音とともに大きな揺れを感じたため、直ちに非常ブレーキを使用し、列車を停止させた。列車の停止後、運転士が降車して列車の周囲を確認したところ、後台車(以下、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)にある全2軸が左側に脱線していた。 列車には乗客2名及び運転士1名が乗車しており、この事故により運転士が負傷した。 |
原因 | 本事故は、本件列車がトンネル内の円曲線区間を走行している際、 (1) 曲線中で定常的に発生する外軌側の横圧が、比較的大きな通り変位の存在により更に増加していたこと、 (2) 輪重減少を助長する比較的大きな水準変位が存在していた軌道において、レール締結装置の締結ボルトの緩み及び軌道パッドの脱落が連続していたことにより、列車走行時に軌道の水準変位が更に大きくなったこと、 これらに加えて、 (3) 本件列車の後台車の通過時に、左レール(外軌)が折損していたため軌道の水準変位が更に増加したこと により、後台車にある第3軸の左車輪において輪重が大きく減少して脱線係数が大きくなったため、同車輪がレールを乗り越えて脱線に至った可能性があると考えられる。 トンネル内のレールが折損したことについては、同社が定期的に行っている軌道検査において、腐食によるレール断面積の減少率がレール更換の判断基準を大幅に超過した状態となっていたことに気付くことができずに、更にはレールの腐食から生じたと考えられる亀裂や連続したレール締結装置の締結ボルトの緩み及び軌道パッドの脱落を見落としたことが関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:1名(運転士) |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |