報告書番号 | RA2016-5-1 |
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発生年月日 | 2015年08月08日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 山陽新幹線 小倉駅~博多駅間[福岡県宮若市]四郎丸トンネル内 |
事業者区分 | JR |
事業者名 | 西日本旅客鉄道株式会社 |
事故等種類 | 鉄道人身障害事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | 負傷 |
都道府県 | 福岡県 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2016年06月30日 |
概要 | 西日本旅客鉄道株式会社の新大阪駅発鹿児島中央駅行き8両編成の下り第561A列車(さくら561号)の運転士は、平成27年8月8日(土)、17時27分ごろ、小倉駅~博多駅間にある四郎丸トンネル内を速度約295km/hで走行中に停電を認めたため、列車を非常ブレーキで停車させた。 列車停止後、車内販売員は、3両目(車両は前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)の前から4列目左窓側の席に座っていた乗客から車体の左側面からの強い衝撃により左腕等を負傷したとの申告を受けた。 車内販売員からの連絡により3両目に駆けつけた車掌は、負傷した乗客の座席横の側窓付近に損傷があることを確認した。 また、車掌が車外から車両点検を行ったところ、3両目左側面に複数の損傷があることを確認した。 18時13分ごろ、列車は運転を再開し、定刻より約59分遅れて博多駅へ到着した。その後、列車を車両基地に入庫させ確認したところ、2両目左側最前部に設置されている側フサギ板が落失していた。 電力社員が線路巡回をしたところ、四郎丸トンネル内の上下線の間で側フサギ板を発見した。 列車には、乗客約500名、乗務員2名(運転士、車掌)及び車内販売員2名が乗車していた。なお、上述の乗客1名以外に、負傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、山陽新幹線四郎丸トンネル内を速度約295km/hで走行中の列車の2両目左側最前部の車体に設置されていた側フサギ板が脱落し、車体左側面とトンネル側壁等に接触しながら、3両目4A席付近の車体左側面に当たり、この衝撃が車内の同席に着座していた乗客に伝わったため乗客が負傷したものと考えられる。 側フサギ板が脱落したことについては、取付ボルトの締付トルクが所定のトルク値に達しておらず、手締め相当の締め付けであったため、列車の走行による振動によりボルトが脱落し、列車の走行による走行風などで車体から脱落したものと考えられる。 ボルトが手締め相当の締め付けであったことについては、本事故発生前の直近で実施した走行試験に伴う付帯作業において、側フサギ板を取り付けた際に、側フサギ板のボルトを所定のトルク値で締め付けないままで作業を終了した可能性があると考えられる。 側フサギ板のボルトを所定のトルク値で締め付けないままで作業を終了したことについては、作業者に対する役割分担、作業方法の指示、作業対象となる側フサギ板の位置を明確にしないまま作業が行われたことが関与した可能性があると考えられる。 また、走行試験に伴う側フサギ板の取付作業後から本事故が発生するまでの間に、交番検査が行われているが、交番検査時における合いマークのずれのないことの確認が徹底されていなかったことが関与して、交番検査時に側フサギ板のボルトの緩みを発見できなかったと考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:1名(乗客) |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |