報告書番号 | RI2016-2-1 |
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発生年月日 | 2015年04月12日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 東北線(山手線) 神田駅~秋葉原駅間[東京都千代田区] |
事業者区分 | JR |
事業者名 | 東日本旅客鉄道株式会社 |
事故等種類 | 施設障害 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 東京都 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2016年07月28日 |
概要 | 東日本旅客鉄道株式会社の磯子駅発大宮駅行き10両編成の京浜東北線普電第522B列車の運転士は、平成27年4月12日(日)、6時10分ごろ、神田駅~秋葉原駅間を運転中、隣接する東北線(山手線内回りと外回り)の線路間に立っていた電柱が手前(神田駅方。車両は前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)に倒れてくるのを認め、非常ブレーキを操作するとともに防護無線を発報して列車を停止させた。 このインシデントによる負傷者はいなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、電路設備のインテグレート架線工事に伴う電柱の撤去工事の過程において、列車の運行の用に供している電柱が傾斜し、また、傾斜したとの情報が複数の関係者に伝わったが、必要な措置が講じられなかったため、傾斜が進み、列車が運行する時間帯に線路上に転倒し、建築限界を大きく支障したことにより、発生したものと考えられる。 同電柱が傾斜し、転倒に至ったことについては、同電柱が設置されていた重力形ブロック基礎は、電柱、梁及び架線等の質量による鉛直力により、同基礎の許容できる転倒モーメントが増減される構造であったことから、平成23年7月に、通常より高い位置(1.9m)で同電柱に取り付けられた支線の引張力により、水平方向の作用力による転倒モーメントが増加したことによって、同基礎の転倒に対する安全率が低下していたものと考えられる。 さらに、この状況において、同電柱の上部に取り付けられていた梁及び架線等が平成27年3月に撤去されたため、同基礎に作用する鉛直力が小さくなり、同支線の作用力による転倒モーメントは変化しなかったが、転倒に対する安全率が更に低下し、1以下になったものと考えられる。 このような事態を招いたことに対しては、同社において、本件6号電柱の基礎の構造を把握していない状態で、神田駅~秋葉原駅間において半数以上で使用している アンカボルト基礎のようなより強固な構造だと思い込んで、安全率が十分であると 誤って判断していたことが関与したと考えられる。 同電柱が傾斜したとの情報が複数の関係者に伝わったが、必要な措置が講じられなかったことについては、 (1) 同工事において、過去に同電柱が傾斜するなどの同様な経験がなかったことから、事態を危険側に判断することができなかったため、電柱の傾斜に気付いた時点で、早急な仮処置を行わなかったこと、 また、異常時における連絡体制が整備されていたが、電力指令等の必要な関係各所への連絡が迅速に行われなかったこと、 (2) 東京総合指令室内で、現場となる運輸区からは「運転に支障なし」の報告であったことから、誰もが緊急を要する異常であるとの認識に至らなかったこと、 また、同指令室内の情報伝達は、運用指令の詳細な情報がそろってから施設指令へ報告するという慣例的な処理が、必要な関係部署への連絡の遅延につながったこと が関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |