JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 RA2010-1-1
発生年月日 2009年02月20日
区分 鉄道
発生場所 山陽線 明石駅~西明石駅間(複線)[兵庫県明石市]
事業者区分 JR
事業者名 西日本旅客鉄道株式会社
事故等種類 鉄道人身障害事故
踏切区分
人の死傷 死亡
都道府県 兵庫県
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年02月26日
概要  西日本旅客鉄道株式会社の野洲(やす)駅発西明石駅行き8両編成の下り電第855M列車は、平成21年2月20日(金)、明石駅を定刻(1時18分)より約6分遅れて出発した。列車の運転士は、速度約95km/hで力行運転中、隣接線で夜間作業に使用している保守用車付近から、下り電車線に作業員が立ち入るのを認めたため、直ちに非常ブレーキを使用したが間に合わず衝突し、作業員は死亡した。#
 列車には、乗客約150名及び乗務員2名が乗車していたが、負傷者はなかった。#
 なお、列車は、1両目前面右側(車両は前から数え、前後左右は列車進行方向を基準とする。)スカートが損傷した。
原因  本事故は、保守用車を使用する上り電車線の線路閉鎖工事において、作業工程を変更したことにより、隣接する下り電車線及び下り列車線の両線を列車が走行するという、作業開始条件が整わない状態で作業が行われることとなり、下り列車線を走行する貨物列車が保守用車の横を通過している状況において、反対側の下り電車線を走行してきた本件列車が保守用車の横を通過中に下り電車線側に作業員の一人が出てきたため、本件列車が同作業員に衝突したものと推定される。
 作業開始条件が整わない状態で作業を行ったことについては、作業関係者間の連絡や、同社が同社社員及び工事請負会社に対して行っている教育訓練等が、適切に対応できるものとなっていなかったことが考えられ、その背後要因として工事従事者一人一人の安全に対する認識が希薄になっていた可能性や、線路閉鎖工事が行われる場合の同社の安全管理体制が適切に機能していなかったことが考えられる。
 同作業員が列車の接近を知らせる合図を受けて待避したにもかかわらず下り電車線側に出てしまったことについては、列車の接近を知らせる合図により通過する列車は下り列車線を走行する貨物列車のみとの思い込みがあった可能性が考えられるが、明らかにすることはできなかった。
死傷者数 死亡:1名(鉄道係員(作業員))
勧告・意見(建議)
情報提供
動画(MP4)
備考
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    なお、動画はWMV形式でデータ速度は1000kbpsです。