JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 2002-1-2
発生年月日 2001年12月10日
区分 鉄道
発生場所 東上本線 武蔵嵐山駅~森林公園駅間[埼玉県比企郡滑川町]東上本線第278号踏切道(使用停止中)付近
事業者区分 大手民鉄
事業者名 東武鉄道株式会社
事故等種類 列車脱線事故(踏切障害に伴うもの)
踏切区分 第1種踏切道
人の死傷
都道府県 埼玉県
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2002年04月26日
概要  東武鉄道株式会社(以下「同社」という。)東上本線小川町駅発池袋駅行き10両編成の急行第1170列車(以下「本件列車」という。)は、平成13年12月10日(月)、乗客約50人を乗せて武蔵嵐山駅を発車し、速度約95km/hで進行中であった。19時50分ごろ、本件列車の運転士(以下「運転士」という。)は、使用を一時的に停止していた第278号踏切道(以下「本件踏切」という。)左側において、手を振っている者を本件踏切手前約80mで発見した。直ちに非常気笛を吹鳴するとともに非常ブレーキを使用したが間に合わず、線路を支障していた普通自動車と衝突し、約90m走行したところで先頭車両の前台車の第1軸及び第2軸が進行方向左側に脱線した。本件列車は、本件踏切から225m行き過ぎて停止した。
 本件列車の乗客及び乗務員に死傷はなかった。また、手を振っていた者(普通自動車を運転していた者。以下「運転者」という。)にも負傷はなかった。
 普通自動車は大破し、本件列車は軽微な損傷であった。
原因  本事故は、普通自動車の運転者が使用停止中の本件踏切に防護柵を突破して進入し、複線化工事を行っていた溝状の掘削部に落ちた後、普通自動車を移動しようとしてクレーンの操作を行った際に、普通自動車が本件列車の進路を支障したことから、本件列車と衝突し、普通自動車が先頭車両床下に巻き込まれたため、本件列車の第1軸及び第2軸が脱線したことによるものと推定される。
 運転者が使用停止中の本件踏切に進入したのは、飲酒後に運転し、側溝整備工事の状況の確認に気を取られ、前方への注意力が欠如していたことが関与したものと推定される。また、衝突に至ったのは、列車の安全な運行に支障のない方法で溝状の掘削部に落ちた普通自動車を移動する措置について、鉄道事業者と協議することなく、また、十分な技能を有していないにもかかわらず自ら玉掛け及びクレーン操作を行った際に、普通自動車が本件列車の進路を支障したことによるものと推定される。
死傷者数 なし
勧告・意見(建議)
情報提供
動画(MP4)
備考
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    なお、動画はWMV形式でデータ速度は1000kbpsです。