報告書番号 | RA2022-5-1 |
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発生年月日 | 2021年07月24日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 常磐線 隅田川駅構内[東京都荒川区]日暮里駅起点3k760m付近 |
事業者区分 | 貨物鉄道 |
事業者名 | 日本貨物鉄道株式会社 (法人番号 7011001068366) |
事故等種類 | 列車脱線事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 東京都 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2022年07月28日 |
概要 | 日本貨物鉄道株式会社の隅田川駅発東京貨物ターミナル駅行き20両編成の第72列車は、令和3年7月24日、隅田川駅の着発5番線を定刻(10時03分)に出発した。同列車の運転士は、推進運転で同駅構内の折返線に向かって速度約18km/hで力行運転中、進行方向前方(前後左右は列車の進行方向を基準とする。)の貨車付近から砂煙が上がるのを認めたため、直ちに非常ブレーキを操作した。 停止後、運転士が列車から降りて確認したところ、列車は、3両目(両数は機関車から数える。)の前台車全2軸が脱線していた。 列車には運転士1名が乗務していたが、負傷はなかった。 |
原因 | 本事故は、19両の貨車を連結した列車が、推進運転により走行した際に、3両目の貨車の前台車前軸の右車輪が、分岐器のクロッシング部で分岐線側のガードレールに乗り上がり、その後、左車輪が異線側に進入したため、脱線したものと考えられる。 右車輪が分岐器のクロッシング部で分岐線側のガードレールに乗り上がったことについては、空車状態の貨車が分岐器付近を走行した際に、車体が水平方向に変位し、貨車の連結器首振り角が拡大した状態で過大な圧縮自連力が生じたことによって、前台車前軸の横圧が増加するとともに同右車輪の輪重が減少したことから、クロッシングの欠線部で貨車の右車輪の背面が分岐線側のガードレールに乗り上がったと考えられる。 過大な圧縮自連力が生じたことについては、推進運転開始以前の荷重選択スイッチの設定が定められたものでなかったこと、3両目の貨車の前台車が192ロ号分岐器のクロッシング部付近を走行する直前において、運転速度に関しては、速度超過はなかったものの、列車の運転士が推進運転時の運転取扱いのルールが本件列車に対しては適用されないものと理解していたことや、速度や停止位置に意識が向いていたことが関与し、マスコン主ハンドル操作について、定められた操作を行っていなかったことによるものと考えられる。 なお、推進運転時の運転取扱いのルールが、本件列車に対しては適用されないものと理解していた背景には、JR貨物の本社と支社及び機関区の間で同ルールに対する認識に乖離があったことが関与し、推進運転時の作業内容を正しく理解させるための教育が十分でなかった可能性が考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |