報告書番号 | RI2020-2-1 |
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発生年月日 | 2019年08月24日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 住ノ江検車区[大阪府大阪市] |
事業者区分 | 大手民鉄 |
事業者名 | 南海電気鉄道株式会社 (法人番号 6120001077499) |
事故等種類 | 車両障害 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 大阪府 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2020年11月26日 |
概要 | 南海電気鉄道株式会社の南海本線難波駅発関西空港駅行き6両編成の下り第241列車(ラピートβ41号)は、令和元年8月23日(金)、南海本線難波駅を定刻(18時00分)に出発した。堺駅~岸和田駅間を走行中に車掌が2両目と3両目(以下、車両等は下り方から数え、左右は下り列車の進行方向を基準とする。)の連結部から金属が擦れ合うような音を確認した。その後、関西空港駅到着後の折り返し難波駅行き列車(列車番号が上り第250列車となった。)が走行中、岸和田駅~堺駅間で同車掌が2両目と3両目の連結部から同様の音を確認した。このため、車掌が列車無線にて運輸指令指令員に異音発生の報告を行った。指令員は検車係員2名を難波駅到着後の折り返し関西空港駅行き列車(列車番号が下り第249列車となった。)に泉佐野駅から添乗させ、車両の状況を確認したが、異状がなかったため、当日の運用後に車両の確認をするよう指示をした。 運用後、検車係員が住ノ江検車区で車両を再度確認したところ、2両目第2台車第1軸主電動機受座背面に約140mmの亀裂を発見した。(令和元年8月24日0時10分ごろ) |
原因 | 本重大インシデントは、車両の台車枠の横ばりと主電動機受座背面の補強リブとの溶接部に発生した亀裂が、疲労により進展し、外表面まで達したものと推定される。 横ばりと主電動機受座背面の補強リブとの溶接部に亀裂が発生したことについては、本件台車メーカーで主電動機受座背面に本件補強リブを取り付ける際に、開先加工を実施せずに溶接を行って取り付けたことにより溶接欠陥ができ、これを起点にして亀裂が発生したものと推定される。 開先加工が実施されなかったことについては、本件台車メーカーの台車技術管理室から開先加工を行う溶接職場に対し出された作業方案に、開先に関する記載がなく、明確な作業指示がなかったため、溶接職場の作業者が開先加工を行うことを知らなかったことが関与したものと考えられる。 また、本件亀裂が発生した箇所は許容応力に対して発生応力の余裕が小さい箇所であったが、補強を実施後に同社が重点検査箇所に指定しておらず、磁粉探傷検査を実施していなかったため、定期検査の時点で既に亀裂が発生していたとしても、これを発見できなかった可能性が考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |