JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 RA2017-2-1
発生年月日 2016年06月02日
区分 軌道
発生場所 桜町支線 諏訪神社前停留場~公会堂前停留場間(複線)[長崎県長崎市]
事業者区分 中小民鉄
事業者名 長崎電気軌道株式会社
(法人番号 2310001001410)
事故等種類 車両脱線事故
踏切区分
人の死傷
都道府県 長崎県
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2017年03月30日
概要  長崎電気軌道株式会社の蛍茶屋停留場発赤迫停留場行き1両編成の第362号車は、平成28年6月2日(木)、諏訪神社前停留場を定刻(22時47分30秒)に出発した。運転士は、長崎駅前停留場方に向けて公会堂前交差点の分岐器を右曲線となる分岐線側に通過中、異音とともに車両が浮き上がるような異状を感じ、ブレーキ操作により車両を停止させた。運転士が降車して確認したところ、車両は、後台車の全2軸がレールの左(以下、前後左右は車両の進行方向を基準とする。)に脱線していた。
 車両には乗客1名、運転士1名が乗車していたが、死傷者はいなかった。また、事故現場は道路(併用軌道箇所)の交差点内であったが、脱線した車両は、脱線前及び脱線後において自動車等と接触や衝突はしなかった。
原因  本事故は、交差点において電車が、右曲線となる分岐器内を後台車第1軸の右車輪背面と、ダイヤモンドクロッシング内のガードレールの機能を持つ部位の側面とを接触させながら走行していた際に、同車輪背面がノーズレール先端付近に乗り上がって脱線を開始し、車輪フランジが同部位の側面上部を走行した後、同軸左車輪が左レールに乗り上がって同軸が左に脱線し、続いて後台車第2軸も左に脱線したことにより発生したものと考えられる。
 後台車第1軸の右車輪が乗り上がって脱線したことについては、変形したノーズレール先端部に車輪が急激に接触し、同車輪の背面横圧が増加するとともに、変形により車輪背面とノーズレール先端部の接触角が減少していたことの影響によるものと考えられる。
 ノーズレール先端部が変形したことについては、車輪がノーズレール先端部に接触する構造となる曲線半径の非常に小さい曲線に存在するダイヤモンドクロッシング内で、設計変更によりノーズレール先端部の高さを低くした影響により、ノーズレール先端部が変形しやすい状態となったところに、複数の電車の各台車前軸右車輪の背面が繰り返し衝撃することにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見(建議)
情報提供
動画(MP4)
備考
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    なお、動画はWMV形式でデータ速度は1000kbpsです。