JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 RI2014-2-1
発生年月日 2012年11月26日
区分 鉄道
発生場所 香椎線 須恵駅~須恵中央駅間(単線)[福岡県糟屋郡須恵町]
事業者区分 JR
事業者名 九州旅客鉄道株式会社
事故等種類 車両障害
踏切区分
人の死傷
都道府県 福岡県
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年03月28日
概要  九州旅客鉄道株式会社の香椎線西戸崎駅発宇美駅行き2両編成の下り気第765D列車(ワンマン運転)は、平成24年11月26日(月)、須恵駅を定刻(17時00分)に出発した。運転士は、同列車を速度約40km/hまで加速させた後の惰行運転中、戸閉め表示灯の滅灯を認めたため、直ちに非常ブレーキをかけて停止した。車内を確認したところ、前部車両の前寄り右側(前後左右は列車進行方向を基準とする。)の旅客用乗降口の扉が約30cm開いていた。運転士は、同旅客用乗降口の扉を含めた全ての扉を鎖錠した後、運転を再開した。同列車は須恵中央駅まで運転された後運行を取りやめた。
 同列車には、乗客約150名及び乗務員1名が乗車していたが、転落等による負傷者はいなかった。
原因  本重大インシデントは、戸閉め機械の二又と接手ねじが、掛かり代がほとんどない状態で締結されたことによって、二又と接手ねじの軸力が低下した後、二又と接手ねじが分離に至ったため、走行中にドアが開いたことにより発生したものと推定される。
 軸力が低下したことについては、掛かり代がほとんどない状態で二又と接手ねじが締結されたことにより、締結部分のねじ山に加わるせん断応力が著大となったことにより、一部のねじ山に塑性変形が生じたことによって非回転ゆるみが発生したこと、及びドアの開閉や走行中の振動などの外力によって回転ゆるみが発生したことによるものであると考えられる。
 上述した緩みによって軸力が低下した状態において、ピストン棒の回転、及び本重大インシデント発生前の運行中に、力行から惰行運転に移行した際の加速度の変化による慣性力によって、接手ねじと二又の分離に至ったものと考えられる。
 掛かり代が不足していたことについては、折損対策で図面変更したことにより掛かり代に影響を与える可能性があり、取付け時に注意を要することについて、同社及び図面変更を提案した戸閉め機械メーカーにおいて十分な検討がなされなかったため、作業者に作業を行う上で必要な情報が周知されなかったことによるものであると考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見(建議)
情報提供
動画(MP4)
備考
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    なお、動画はWMV形式でデータ速度は1000kbpsです。