報告書番号 | RA2012-5-3 |
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発生年月日 | 2011年03月10日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 成田線 久住駅~滑河駅間(単線)[千葉県成田市] |
事業者区分 | 貨物鉄道 |
事業者名 | 日本貨物鉄道株式会社 |
事故等種類 | 列車脱線事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 千葉県 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2012年06月29日 |
概要 | 日本貨物鉄道株式会社の東京貨物ターミナル駅発鹿島サッカースタジアム駅行き10両編成の下り高速貨第73列車は、平成23年3月10日(木)久住駅を定刻(12時19分)に通過した。 運転士は、滑河駅構内に惰行運転で進入したところ、列車の非常ブレーキが動作し同駅構内に停止した。停止後に非常ブレーキが緩解しなかったことから輸送指令の指示により列車の点検をしたところ、列車は8両目の貨車と9両目の貨車が分離しており、9両目の貨車(車両は、機関車を含め前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)は右に脱線横転し、10両目の貨車は右に脱線していた。 列車は、同駅にて上り旅客列車とすれ違う予定であった。 また、まくらぎ等に列車が同駅に進入する前から脱線し走行していた痕跡があった。 列車には運転士1名が乗務していたが、負傷はなかった。 |
原因 | 本事故は、本件列車が半径406mの左曲線を走行した際、最初に9両目貨車の後台車第1軸の外軌(右)側車輪が輪重の減少によりレールに乗り上がって右に脱線し、その後、第2軸も外軌(右)レールに乗り上がって脱線したことにより発生したものと考えられる。 脱線した貨車は、貨車整備実施基準に定められた基準に沿って検査整備されており、さらに規定された運行速度以下で運行されていた。しかし、新製時から使用されていた軸ばねは、JR貨物で定めた基準値内であったが経年劣化により硬くなっていたことから、空コンテナを積載した状態では新製時よりも軌道に対する追従性が低下していた可能性があると考えられる。 また、脱線発生箇所付近については、軌道施設実施基準に基づき検査が実施されており、同基準で定められた整備基準値内であったものの、脱線発生箇所付近の平面性変位と複合変位が比較的大きかった。また、脱線箇所付近の軌道変位の変動と相まって、車両動揺が発生した可能性が考えられ、後台車第1軸の外軌(右)側の輪重、横圧が大きく変動して脱線箇所付近で脱線係数が大きくなった可能性が考えられる。 なお、脱線した状態で滑河駅構内に進入してきた9両目の貨車が横転したのは、 11イ分岐器から9両目の前台車と脱線した後台車が異なる線路を走行したため、車体が走行に耐えきれなくなったことによるものと推定される。また、10両目の貨車の前台車は、異線進入した9両目の後台車に引っ張られたため、異線進入した後、脱線し停止したものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |