JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 RA2010-4-1
発生年月日 2009年08月27日
区分 鉄道
発生場所 北松江線 朝日ヶ丘駅~松江イングリッシュガーデン前駅間(単線)[島根県松江市]
事業者区分 中小民鉄
事業者名 一畑電車株式会社
事故等種類 列車脱線事故
踏切区分
人の死傷 負傷
都道府県 島根県
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年08月27日
概要  一畑電車株式会社の北松江線電鉄出雲市駅発松江しんじ湖温泉駅行き2両編成の下り第317列車は、平成21年8月27日(木)、ワンマン運転で朝日ヶ丘駅を定刻(11時57分)に出発した。
 列車の運転士は、半径200mの左曲線(前後左右は列車の進行方向を基準とする。)を速度約55㎞/h で力行運転中、車両に異音と動揺を感じたため、非常ブレーキを使用して停止させた。
 列車は、先頭車両の前台車全2軸が右へ脱線していた。
 列車には、乗客18名及び運転士1名が乗車しており、そのうち乗客3名が負傷した。
原因  本事故は、本件列車が本件出口側緩和曲線内において、脱線係数が増加するとともに、限界脱線係数が低下したため、先頭車両の前台車第1軸の外軌側(右)車輪が外軌(右)レールに乗り上がって右に脱線したものと考えられる。
 脱線係数が増加するとともに、限界脱線係数が低下したことについては、以下のことによる可能性があると考えられる。
(1) 脱線係数が増加したことについては、車輪の乗り上がりに対する余裕が小さいと考えられる本件緩和曲線内において、曲線半径を小さくする方向に通り変位があったこと及び軌道面が右前方に下がる方向に2m平面性変位があったことから、外軌側(右)車輪の横圧が増加し、かつ、輪重が減少したこと。
(2) 限界脱線係数が低下したことについては、曲線半径を小さくする側の通り変位により右車輪のアタック角が増大したことから、車輪フランジとレール間の等価摩擦係数も大きくなっていたこと。
 また、共振による車体のローリング振動が発生しやすい通りと水準の変化があったため、車体ローリングが大きくなった可能性があると考えられ、このことが外軌側(右)車輪の軸重が減少したことに関与した可能性があると考えられる。
 なお、本件曲線には、脱線防止ガードが設置されていたものの、本来、設置すべき曲線の内軌側ではなく、外軌側に設置されていたため、外軌側(右)車輪の乗り上がりによる曲線外側への脱線を防止できなかったものと推定される。
死傷者数 負傷:3名(乗客)
勧告・意見(建議)
情報提供
動画(MP4)
備考
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