JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 RA2010-3-1
発生年月日 2009年07月03日
区分 鉄道
発生場所 東海道線 沼津駅~三島駅間(複線)[静岡県沼津市]
事業者区分 JR
事業者名 東海旅客鉄道株式会社
事故等種類 鉄道人身障害事故
踏切区分
人の死傷 死亡
都道府県 静岡県
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年07月30日
概要  日本貨物鉄道株式会社の大阪貨物ターミナル駅発東京貨物ターミナル駅行き25両編成の上り高速貨第1084列車は、平成21年7月3日(金)、沼津駅を定刻(2時39分)より約5分遅れて通過した。列車の運転士は速度約92km/hで力行運転中、箱根裏街道踏切道の直前で隣接する右側(前後左右は列車進行方向を基準とする。)の下り線で作業をしていた集団の中から、上り線に作業員が立ち入るのを認めたため、直ちに非常ブレーキを使用したが間に合わず、同列車は作業員と衝突した。なお、作業員は死亡した。
 列車は1両目(車両は前から数える。)の機関車前面右側に軽微な損傷があった。
 列車には運転士1名が乗車していたが、負傷はなかった。
原因  本事故は、本件列車が本件踏切を通過する直前に、本件作業員が下り線から上り線に立ち入ったため、本件列車と衝突したものと推定される。
 本件作業員が上り線に立ち入ったことについては、総つき固め作業に伴って砕石を補充する作業を行う中で、上り線の外側に向かった可能性があると考えられるが、その理由を明らかにすることはできなかった。
 なお、本件作業においては、周囲の住環境に配慮して拡声器を使用しておらず、無線機を利用した待避指示の伝達や列車見張員の笛や声による注意喚起が行われていたが、拡声器を使用せずに全員に確実に伝達するための具体的方法について、作業内容に応じた取り決めが不十分であった可能性があると考えられ、これにより、本件列車が接近したとき、騒音の大きな環境の中で、本件作業員に対する待避指示の伝達が不完全となっていた可能性があると考えられる。また、本件作業員は上り線に立ち入る際、基本動作である左右の指差確認をしていなかった可能性があると考えられる。
 これらのことから、本件作業員は本件列車の接近に気付かなかった可能性があると考えられ、このことが、本件作業員が上り線に立ち入ったことに関与した可能性があると考えられる。
死傷者数 死亡:1名(鉄道係員(作業員))
勧告・意見(建議)
情報提供
動画(MP4)
備考
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    なお、動画はWMV形式でデータ速度は1000kbpsです。