JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 RI2010-1-1
発生年月日 2009年05月01日
区分 鉄道
発生場所 伊賀線 上林駅構内(単線) [三重県伊賀市]
事業者区分 中小民鉄
事業者 伊賀鉄道株式会社
事故等種類 車両障害
都道府県 三重県
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年06月25日
概要  伊賀鉄道株式会社の伊賀線伊賀神戸(いがかんべ)駅発、上野市(うえのし)駅行き2両編成の上り第1472列車は、平成21年5月1日(金)ワンマン運転により伊賀神戸駅を定刻(14時36分)に出発し、上林駅に定刻から約2分遅れて(14時44分ごろ)到着した。同列車が上林駅に停止する直前に、ホームがない側である同列車右側(前後左右は列車進行方向を基準とする。)の旅客用乗降口の扉がすべて開いた。その後、同列車は旅客用乗降口の扉の開閉を手動扱いにするとともに監視者を添乗させて上野市駅まで運転を継続し、同駅で同編成の以降の運転を打ち切った。本重大インシデント発生時、同列車には9名の旅客が乗車していたが、旅客用乗降口の扉が開いたことによる乗客の転落はなく、負傷者はなかった。
原因  本重大インシデントは、本件列車が上林駅に停車する直前に以下の2つの要因が組み合わさったため、右側の側扉がすべて開いたことにより発生したものと推定される。
 (1) ATS論理装置から異常な停止検知信号が出力されたために側扉が開かない状態になったと考えられる前駅(比土駅)において、状況確認のため本件運転士の行った処置により側扉を開くためのリレーであるRy2Rが自己保持状態となり、右側側扉の開指令が出力されたままの状態で前駅を出発していたこと。
 (2) 上林駅に停車直前ではATS論理装置からの異常な停止検知信号の出力が既に消滅しており、列車の速度がATS論理装置の停止検知機能の設定速度以下となったために開いていた扉開放リレーの接点が閉じ、戸閉め電磁弁の負極側回路が構成されたこと。
 比土駅を出発する際に側扉の開指令が出力されたままの状態となったことについては、以下に記述する2つの事柄が組み合わさったためであると推定される。
 (1) 側扉が開いていなかったため、本件運転士は扉開指令が出力されていることに気付かなかったと考えられること、及び同社が定めた点検カードの「扉が開かない場合の取扱い」の内容に、車掌スイッチ閉ボタン操作について指示されていなかったことから、本件運転士が車掌スイッチ閉ボタンを操作しなかったこと。
 (2) 側扉制御回路において、戸閉め電磁弁開指令線(DR線)を間接的に加圧するためのリレーであるRy2Rの自己保持回路が、列車の速度がATS論理装置の停止検知機能の設定速度以上になった場合にも解かれない回路であったこと。
 なお、ATS論理装置から異常な停止検知信号が出力されたことについては、ATS論理装置自体には異常がないことから、速度信号にノイズが重畳したなどの可能性が考えられるが、その原因を明らかにすることはできなかった。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(WMV)
備考
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    なお、動画はWMV形式でデータ速度は1000kbpsです。