報告書番号 | RA2010-1-2 |
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発生年月日 | 2009年02月27日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 大阪線 東青山駅構内[三重県津市] |
事業者区分 | 大手民鉄 |
事業者名 | 近畿日本鉄道株式会社 |
事故等種類 | 列車脱線事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | 負傷 |
都道府県 | 三重県 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2010年02月26日 |
概要 | 近畿日本鉄道株式会社の大阪線名張駅発伊勢中川駅行き2両編成の下り普通第591列車は、平成21年2月27日(金)、西青山駅を定刻(5時28分)に出発した。 列車の運転士は、東青山駅下り場内信号機の注意信号現示を確認し、速度約60km/hで運転中、同信号機の約4~5m手前で、約40~50m前方の線路内にオレンジ色をしたものを認めたので非常ブレーキを使用した。 列車は、オレンジ色をしたものの付近で左側(前後左右は進行方向を基準とする。)に振られ下り本線から分岐している保守基地線に入り、電柱と接触したのち、同線上で停止したが、全車両の全軸8軸が脱線していた。 列車には、乗客9名及び乗務員2名が乗車しており、乗客2名が負傷した。 |
原因 | 本事故は、作業用車両を保守基地線に導くため、下り本線のレールに設置していた本件横取装置の使用後、右レールに取り付けられていた横取材を格納しないまま列車の運行を行ったことから、列車の右車輪が同横取材に誘導されるとともに同軸の左車輪は下り本線左レールに乗り上がり、本来の進路である下り本線ではなく保守基地線側に進入し、右側車輪が下り本線左レールに乗り上がったため、2両編成の全8軸が脱線したものと推定される。 同横取材が格納されないままになっていたことについては、本件作業責任者が横取材の格納作業の際に同横取材の近傍にいた作業員が既に格納したものと思い込み、同横取材のことを忘れ格納作業後の確認を失念したこと、及びその後の本件駅助役による横取材の格納確認作業においても、2箇所の横取材の格納を確認したものの、過去の確認作業で他の横取材が格納されていなかったことはなかったという本件駅助役の経験から、すべて格納されているものと思い込み同横取材の確認を行わなかったことによるものと考えられる。 なお、本事故の発生には、横取装置の格納後の具体的な確認方法の指導が行われていなかったことや、取扱規程の励行の形骸化等、同社の横取装置に関する安全管理の方法が適切でなかったことが関与した可能性が考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:2名(乗客) |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |