報告書番号 | RI2009-4-1 |
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発生年月日 | 2008年11月25日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 日豊線 宮崎神宮駅構内[宮崎県宮崎市] |
事業者区分 | JR |
事業者名 | 九州旅客鉄道株式会社 |
事故等種類 | 車両障害 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 宮崎県 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2009年12月18日 |
概要 | 九州旅客鉄道株式会社の日豊線高鍋(たかなべ)駅発南宮崎(みなみみやざき)駅行き2両編成の下り普通第6753D列車は、平成20年11月25日(火)宮崎神宮駅を定刻(7時43分)よりも約1分遅れて出発したところ、発車した直後に右側(前後左右は列車進行方向を基準とする。)の旅客用乗降扉(プラットホーム側)が瞬間的に開いてすぐに閉まった。同列車は、宮崎神宮駅の一つ手前の蓮ヶ池(はすがいけ)駅において、車掌スイッチを押しても右側の旅客用乗降扉が閉まらない事象が発生していたことから、運転士はこの旨を指令に報告した。同列車の車両は、南宮崎駅に到着後、日南線青島(あおしま)行き列車となり、指令より出動指示を受けた社員が添乗し、旅客用乗降扉を監視することで運行を続けたが、終点の青島駅でそれ以降の運行を取りやめた。列車には、乗客約150名及び乗務員が乗車していたが、旅客用乗降扉が開いたことによる乗客の転落及び死傷者はなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、先頭車両に設置されている旅客用便所のファンモーター内部で車体への接地が発生し、本件列車の車体が制御回路のマイナス側の配線に対してプラスの電圧に加圧されていたこと、及び後部車両の戸閉め回路の配線被覆が損傷し、内部の素線(導線)が露出したことにより車体と導通する状況となり、右側ドアの開き指令線がプラスの電圧に瞬間的に加圧されたことにより、宮崎神宮駅を発車した直後に、本件列車の右側のドアが瞬間的に開いたものと推定される。 ファンモーター内部で車体に接地していたことについては、軸受と整流子の間に取り付ける間座が取り付けられていなかったこと、及び同社がファンモーターの検査修繕を委託した関連会社及び請負業者に対し、間座の取付についての適切な指導がなされていなかったことが関与したものと考えられる。 戸閉め回路の配線被覆が損傷し、内部の素線(導線)が露出したことについては、本重大インシデントの約1年前に実施されたワンマンドアスイッチの改造工事において新たに敷設した配線に、配線被覆が薄い配線材料を用いたこと、及び車体との接触を防ぐ養生処置が十分ではなかったことが関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |