報告書番号 | RA2009-6-1 |
---|---|
発生年月日 | 2008年02月24日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 江の島線 西鎌倉駅構内[神奈川県鎌倉市] |
事業者区分 | 中小民鉄 |
事業者名 | 湘南モノレール株式会社 |
事故等種類 | 鉄道物損事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 神奈川県 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2009年06月26日 |
概要 | 湘南モノレール株式会社の江の島線大船駅発湘南江の島駅行き3両編成の下り普通第909S列車は、平成20年2月24日(日)、湘南深沢駅を定刻(9時50分)に出発した。 列車は、湘南深沢駅に到着するまでは特に異常はなかったが、同駅を出発する際に急加速し、その後、運転士がワンハンドルマスコンを力行位置としていないにもかかわらず加速する状態になった。列車は西鎌倉駅進入時にブレーキ力不足の状態となり、運転士は非常ブレーキ及び保安ブレーキを使用したが所定位置に停止せず、停止信号を現示していた同駅の下り出発信号機を冒進した。同下り列車は、その先の分岐器に衝突し、接近していた上り普通第904S列車の進路を支障して停止した。 一方、片瀬山駅を定刻より約30秒遅れて(9時52分30秒ごろ)出発し、西鎌倉駅で同下り列車とすれ違う予定であった同上り列車の運転士は、同駅の約60m手前で同下り列車が西鎌倉駅の下り出発信号機を冒進してくるのを認めたため、非常ブレーキを使用し、同下り列車の約19m手前で停止した。 同下り列車の車両及び分岐器等の施設に物損が生じたが、双方の列車の乗客及び乗務員(同下り列車には乗客22名及び乗務員2名、同上り列車には乗客16名及び乗務員2名)には死傷者はなかった。 |
原因 | 本事故は、本件編成中に2台あるVVVFインバータのうちの1台が、誤動作により力行継続状態となり、ブレーキを使用しても必要な減速度が得られず、また、本件運転士が本件列車の異常に気付きながら運転を継続したため、本件列車は減速が不十分な状態で西鎌倉駅に進入し、停止信号を現示していた下り出発信号機を行き過ぎ、進路の開通していない#46分岐器に衝突し、対向列車の進路を支障するとともに、分岐器等の施設に物損が生じたものと考えられる。 1台のVVVFインバータが誤動作したことについては、本件編成中の特定の車両のVVVFインバータが、低圧車体接地線等のノイズ対策が不十分であったことから低圧回路のマイナス極側に重畳したノイズの影響を受けやすい状態となっていたこと、未使用のモニタ伝送回路に対して適切なノイズ対策がなされていなかったこと、及び加減速を制御するプログラムに不備があったため、ウォッチドッグタイマによる保護動作が働かなかったことが重なったことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | 意見 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |