報告書番号 | RA2007-4-1 |
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発生年月日 | 2005年03月02日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 宿毛線 宿毛駅構内[高知県宿毛市] |
事業者区分 | 中小民鉄 |
事業者名 | 土佐くろしお鉄道株式会社 |
事故等種類 | 列車脱線事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | 死亡:負傷 |
都道府県 | 高知県 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2007年07月27日 |
概要 | 土佐くろしお鉄道株式会社の中村線窪川(くぼかわ)駅発宿毛(すくも)線宿毛駅行き3両編成の下り第47D列車(特急南風17号。四国旅客鉄道株式会社所属2000系内燃動車(ディーゼルカー))は、平成17年3月2日(水)、平田駅を定刻(20時35分)に出発した後、東宿毛駅を通過した。その後、列車は、終端駅である宿毛駅1番線の線路終端の車止めを越えて、前方の通路に乗り上げ、エレベータに衝突し停止した。これにより列車の1両目(車両は前から数え、前後左右は進行方向を基準とする。)は大破するとともに、1両目の前台車全2軸及び後台車全2軸並びに2両目の前台車全2軸が脱線した。 列車には、乗客11名及び乗務員2名が乗車していたが、このうち乗客10名が負傷、運転士が死亡、車掌が負傷した。 また、事故発生直後に火災が発生し、1両目床下機器等が焼損した。 |
原因 | 本事故は、宿毛駅進入時に本件列車のブレーキハンドルの操作による減速が適切に行われなかったため、本件列車が宿毛駅の場内信号機の注意信号現示に対応する制限速度を大幅に超過して同駅構内に進入したことから、線路終端に対する自動列車停止装置による非常ブレーキの作動による減速では間に合わず、線路終端の車止めを越えて、前方通路に乗り上げ、1両目全4軸及び2両目前台車全2軸が脱線したことによるものと推定される。 この宿毛駅進入時に本件列車のブレーキハンドルの操作による減速が適切に行われなかったことについては、本件運転士の自殺等の故意によるものではないと考えられ、本件運転士が他の通過駅を通過する場合と錯誤した可能性は低いものと考えられ、本件列車が平田駅を出発後に、本件運転士に運転を適切に行うことが出来なくなる、外部要因、薬毒物及びアルコール並びにSAS(睡眠時無呼吸症候群)によるもの以外の何らかの異常事態が発生したものと考えられるが、それが何によるものであるか明らかにすることができなかった。 この自動列車停止装置による非常ブレーキの作動による減速では間に合わなかったことについては、高速度で列車が走行するにもかかわらず、接近する列車の速度について設計上の想定速度以下とする担保手段を講じないまま、自動列車停止装置の設計等が行われたことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:1名(運転士)、負傷:11名(乗客10名及び車掌) |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |