報告書番号 | AI2017-1-2 |
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発生年月日 | 2015年06月03日 |
発生場所 | 那覇空港 |
航空機種類 | |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
RUNWAY INCURSION |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
LANDING |
人の死傷 | |
航空機区分 | 回転翼航空機 大型機 大型機 |
型式 | CH-47J型(回転翼航空機)、ボーイング式737-800型、ボーイング式737-400型 |
登録記号 | 57-4493-JA80AN-JA8938 |
運航者 | 航空自衛隊、全日本空輸株式会社、日本トランスオーシャン航空株式会社 |
事故等種類 | 離陸中止を行った航空機が離脱する前の滑走路への着陸 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2017年04月27日 |
概要 | 日本トランスオーシャン航空株式会社所属ボーイング式737-400型JA8938(JTA機)は、平成27年6月3日(水)、同社の定期610便として、那覇空港の滑走路18に着陸のため、進入中であった。 全日本空輸株式会社所属ボーイング式737-800型JA80AN(ANA機)は、同社の定期1694便として、新千歳空港に向かうため、飛行場管制所飛行場管制席から離陸の許可を受け、同滑走路から離陸滑走を開始したが、航空自衛隊所属CH-47J型57-4493(自衛隊機)が誘導路A-5から離陸してANA機の離陸経路に接近してきたため、ANA機は離陸を中止した。 その後、飛行場管制所飛行場管制席が、同滑走路に進入中であったJTA機に対して復行を指示したものの、JTA機はANA機が離脱する前の同滑走路に13時24分に着陸した。 JTA機には、機長のほか乗務員4名及び乗客39名の計44名、ANA機には、機長のほか乗務員5名及び乗客77名の計83名、自衛隊機には、機長のほか搭乗員4名及び同乗者2名の計7名がそれぞれ搭乗していたが、負傷者はいなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、誘導路から離陸した自衛隊機が滑走路18を離陸滑走中のANA機の前方の同滑走路上空を横断したことにより離陸中止を行ったANA機が同滑走路から離脱する前に、JTA機が同滑走路に着陸したことによるものと認められる。 ANA機が同滑走路から離脱する前にJTA機が着陸したことについては、JTA機の副操縦士がフレアー操作を開始した際に、JTA機の機長はANA機が同滑走路に存在することを認識したが、飛行場管制所飛行場管制席から着陸を許可されていた中で、ANA機の動向が確認できなかったものの、JTA機の機長の同型機及び那覇空港における経験並びに同機の着陸性能から、安全に着陸できるとJTA機の機長が判断したためと考えられる。さらに、その判断には、JTA機の機長が同滑走路上空を横断した自衛隊機の動向を予測できなかったことも関与した可能性が考えられる。 また、飛行場管制所飛行場管制席が復行を指示したものの、JTA機が同滑走路に着陸したことについては、JTA機の機長及び副操縦士が同指示を認識した時点で既に同滑走路に接地し、エンジンの逆推力操作が行われていたためと考えられる。さらに、このことには復行の指示が時機を逸していたことが関与したものと考えられる。 ANA機が離陸中止を行ったことについては、ANA機の機長が、離陸してANA機の離陸経路に接近してきた自衛隊機の飛行方向を判断することができなかった状況の中で、離陸継続には重大な危険を感じたため、離陸中止を決断したことによるものと推定される。 また、自衛隊機が離陸したことについては、自衛隊機の操縦士がANA機への離陸許可を自機への許可と取り違えたこと、並びに操縦士及び空中輸送員が外部の目視確認を行ったものの、離陸滑走を開始したANA機に気付くのが遅れたことによるものと推定される。 さらに、自衛隊機の操縦士がANA機への離陸許可を自機への離陸許可と取り違えたことについては、飛行場管制所飛行場管制席の送信内容を正確に聞き取ることができなかったにもかかわらず、その内容の確認を行わなかったことによるものと考えられる。また、飛行場管制所飛行場管制席から自衛隊機の誤った復唱に対して何も指摘がなかったことから、自衛隊機の操縦士は離陸の許可を取り違えていることに気付かなかったものと推定される。 飛行場管制所飛行場管制席から自衛隊機の誤った復唱に対して何も指摘がなかったことについては、同管制席が自衛隊機の復唱を聞くことができなかったことによるものと考えられる。このことは、管制交信に使用されているVHF無線電話受信機の特性が関与したことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
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