報告書番号 | AI2009-1-1 |
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発生年月日 | 2005年12月01日 |
発生場所 | 鹿児島空港滑走路上 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
SYSTEM/COMPONENT FAILURE OR MALFUNCTION (POWERPLANT) |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
TAKEOFF |
人の死傷 | |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | ボーイング式767-300型 |
登録記号 | JA767B |
運航者 | スカイマークエアラインズ株式会社 |
事故等種類 | その他 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2009年01月23日 |
概要 | 本件は、航空法施行規則第166条の4第9号(当時。平成18年10月1日以降、施行規則改正に伴い第10号)に規定された「発動機防火区域内における火炎の発生」に該当し、航空重大インシデントとして取り扱われることとなったものである。 スカイマークエアラインズ株式会社所属ボーイング式767-300型JA767Bは、平成17年12月1日(金)、同社の定期306便として、16時45分、鹿児島空港を離陸した直後、右エンジンに振動が発生し、16時48分ごろ、右エンジンの火災警報が作動した。同機は、当該エンジンを停止して引き返し、17時04分、鹿児島空港に着陸した。 同機には、機長ほか副操縦士1名及び客室乗務員9名、乗客79名、計90名が搭乗していたが、負傷者はなかった。機体は小破した。また、離陸後に滑走路わきの草地に火災が発生した。 |
原因 | 本重大インシデントは、同機が離陸し浮揚したころに、右エンジンの2段目高圧タービン・ブレードのうち疲労き裂が進展していた1枚が破断し、これによる他のブレードの破断により右エンジンに回転の不均衡に伴う振動が発生し、この振動により6番燃料供給管がシュラウド内部で破断し、さらに当該シュラウド末端のリテイニング・リングが当該シュラウド内に噴出した燃料の圧力とエンジンの振動により外れて燃料が漏れ、高温部に触れて着火したため、発動機防火区域内における火炎が発生したことによるものと推定される。# 同タービン・ブレードに疲労き裂が発生したことについては、原因を厳密に特定することはできなかったが、以下の要因が複合して関与した可能性が考えられる。# ①ブレード内部を冷却する空気通路のTA(折り返し)部半径が小さかったために、その部分に応力が集中しき裂が発生しやすく、その後、低サイクル疲労によりき裂が進展したこと# ②破断部表面から硫黄が検出されたことから、高温腐食によりき裂が入りやすい条件にあったこと# ③シャンク部前通路側壁の厚さが薄かったことから、シャンク部前通路側壁に高い応力集中が生じたこと# 燃料供給管が破断したことについては、エンジンの不均衡による振動から、過大な荷重が燃料供給管に加わったことが関与した可能性が考えられる。# なお、コア・カウルの相当広い面積が熔解するまで火災警報が敏速に作動しなかったことについては、火炎が火災探知器が設置されていない部分で発生したことによるものと推定される。 |
死傷者数 | |
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