報告書番号 | AI2005-1-2 |
---|---|
発生年月日 | 2004年04月09日 |
発生場所 | 熊本県熊本空港北側付近上空 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
RUNWAY INCURSION |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
APPROACH |
人の死傷 | |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | ボーイング式737-400型 |
登録記号 | JA8996 |
運航者 | 株式会社ジャルエクスプレス |
事故等種類 | |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2005年01月28日 |
概要 | 本件は、航空法施行規則第166条の4第2号に規定された「他の航空機が使用中の滑走路への着陸の試み」に該当し、航空重大インシデントとして取り扱われることとなったものである。 株式会社ジャルエクスプレス所属ボーイング式737-400型JA8996は、平成16年4月9日(金)、同社の定期2385便として11時39分に大阪国際空港を離陸し、目的地である熊本空港への進入・着陸に際し、使用滑走路とは逆方位の滑走路07へ進入を行い、最終進入経路に入る直前の12時26分ごろ、熊本飛行場管制所からの通報により自機の進入滑走路の誤りに気付き、進入を中止した。JA8996が進入の誤りに気付いたころ、滑走路25から離陸許可を得て離陸滑走を開始していた航空自衛隊第3輸送航空隊第41教育飛行隊所属ビーチ式T-400型41-5054は、自機の離陸上昇経路上にJA8996を視認して、離陸を中止した。 JA8996には乗務員5名及び乗客59名、計64名、また41-5054には乗務員5名が搭乗していたが、両機とも負傷者及び機体の損傷はなかった。 死傷者:なし 機体の破損等:なし |
原因 | 本重大インシデントは、A機の機長及び副操縦士が両名共に、使用滑走路に関する交信内容を適切に聴取できておらず、また、使用滑走路を取り違えたことに気付く機会が得られないままに進入を継続したため、他の航空機が使用中の滑走路への着陸を試みたことによるものと推定される。 なお、A機の機長が使用滑走路の変更に気付かなかったことについては、以下のことが関与したものと考えられる。 (1) 使用滑走路が「07」であるとの思い込みがあった可能性が考えられること (2) 副操縦士に対する指導に気を取られ、管制交信聴取に対する注意配分が不足していた可能性が考えられること (3) 滑走路番号及びトラフィック・パターンを自主的に復唱しておらず、このため、誤った理解をしていることについて管制機関から指摘を受ける機会を逸したこと (4) PFであるA機の副操縦士が、管制交信を確実に聴取できていないことに気付かないままに、指示・情報を確認した旨の意思表示を機長に対して行っていたと考えられ、このため自分の持つ誤った理解に確信を持ったものと考えられること A機の副操縦士もまた使用滑走路の変更に気付かなかったことについては、以下のことが関与した可能性が考えられる。 (1) 機長の指導を受けての操縦に気を取られ、管制交信聴取に対する注意配分が不足していたこと (2) 通常よりも低いASONO通過高度に気を取られ、管制交信聴取に対する注意配分が不足していたこと (3) 機長から、ランディング・ブリーフィングの内容とは異なった指導がなされたことから、通常以上に操縦操作に気を取られていたこと また、熊本タワーの管制官が、熊本アプローチの管制官から注意喚起があるまで、A機が使用滑走路と逆の方向に進入していたことに気付かなかったことについては、以下のことが関与したものと推定される。 (1) 滑走路25への視認進入許可が既に発出されていること及び「滑走路25のライト・ダウンウィンドを通報してください」と指示したことに対してA機が「ラジャー」と応答したことから、A機は滑走路25のトラフィック・パターンに向かうものと理解したこと (2) A機を視認することはできなかったが、A機からの位置の通報があったこと、及びブライトによりA機の位置の確認ができたものと思ったこと |
死傷者数 | |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(WMV) |