報告書番号 | AA2004-3 |
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発生年月日 | 2003年07月11日 |
発生場所 | 宮崎県宮崎市 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
SYSTEM/COMPONENT FAILURE OR MALFUNCTION (POWERPLANT) COLLISION WITH OBSTACLE(S) DURING TAKEOFF AND LANDING |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
APPROACH |
人の死傷 | 死亡:負傷 |
航空機区分 | 小型機 |
型式 | ビーチクラフト式A36型 |
登録記号 | JA4166 |
運航者 | 独立行政法人 航空大学校 |
事故等種類 | 機材故障 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2004年08月27日 |
概要 | 独立行政法人航空大学校所属ビーチクラフト式A36型JA4166は、平成15年7月11日(金)、訓練飛行のため、13時58分宮崎空港を離陸し、九州No.4民間訓練空域で空中操作訓練を実施し、宮崎空港へ帰投中の16時03分ごろ、宮崎空港から南に約3km離れた水田に墜落した。# 同機には、操縦教員のほか操縦練習生3名、計4名が搭乗していたが、操縦教員及び操縦練習生2名の計3名が死亡し、操縦練習生1名が重傷を負った。# 同機は、大破したが火災は発生しなかった。 |
原因 | 本事故は、同機が宮崎空港のダウンウィンド・レッグに向かって飛行中、突然エンジンが停止したため、滑空により水田に不時着しようとしたが、不時着間際に右主翼が電柱に衝突して仰向けの状態で水田に墜落し、機体が大破するとともに、搭乗者が死傷したことによるものと推定される。# エンジンが停止したことについては、飛行中、カウンター・ウェイトのピン及びプレートを押さえているリテーニング・リングが脱落し、ピンが抜け出し、これがエンジン内部を移動している間にカム・シャフトにかみ込み、同シャフトが破断したため、エンジンの燃焼が継続できなくなったことによるものと推定される。# 飛行中に、リテーニング・リングが脱落したことについては、以下の(1)及び(2)が関与したものと推定され、また、以下の(3)が関与した可能性が考えられる。# (1) エンジン修理会社(以下「同社」という。)で実施されたエンジンのオーバーホール作業において、カウンター・ウェイトのピン孔にプレートを取り付ける際、プレートが斜めに取り付けられ、この結果、リテーニング・リングが適切にリング溝に入っていなかったこと# (2) 同社の作業手順書が、エンジン製造者発行のオーバーホール・マニュアルに従って改訂されていなかったため、作業者は、リテーニング・リングが適切にリング溝に入っていることを確認するためのイヤー開口部の寸法を計測しなかったこと# (3) リテーニング・リング取付作業を行った作業者は、作業が簡単なものであったことから、リテーニング・リング取付作業後の確認を慎重に行わなかったこと# また、電柱に衝突し、仰向けに墜落したことについては、以下のことが関与していたものと考えられる。# (1) エンジンが停止し、滑空により水田に不時着しようとした際、追い風の影響により滑空距離が延びて、予定していたと考えられる不時着地に接地するには高度が高かったことから、ここに接地することを断念し、進行方向にある障害物を避けるため左に旋回して新たな不時着地に向かわざるを得なかったこと# (2) 操縦教員が座っていた右席からは左側の視界が十分でなく、電柱が見え難かったこと |
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動画(WMV) |