報告書番号 | AI2014-5-1 |
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発生年月日 | 2011年06月04日 |
発生場所 | 北海道奥尻空港上空 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
LOSS OF CONTROL-INFLIGHT |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
INITIAL CLIMB |
人の死傷 | |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | サーブ式SAAB340B型 |
登録記号 | JA03HC |
運航者 | 株式会社北海道エアシステム |
事故等種類 | 地表面への衝突回避のための緊急操作 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2014年11月27日 |
概要 | 株式会社北海道エアシステム所属サーブ式SAAB340B型JA03HCは、平成23年6月4日(土)、同社の定期2891便として函館空港を離陸した。同機は、奥尻空港の滑走路31へ進入中、復行を行い一旦は上昇したが、間もなく降下に転じ、11時38分ごろ、それに気付いた運航乗務員は地表面への衝突を回避するため、緊急の操作を行った。 同機は、奥尻空港の上空でしばらく待機した後、函館空港に引き返した。 同機には、機長ほか乗務員2名及び乗客10名の計13名が搭乗していたが、負傷者はいなかった。また、機体に損傷はなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、同機が奥尻空港の滑走路31へ進入中、復行を行い一旦は上昇したが、間もなく降下に転じて地表面に接近したため、それに気付いた運航乗務員が地表面への衝突を回避すべく緊急の操作を行ったものである。 同機が降下し地表面に接近したのは、以下のことによるものと推定される。 (1) 機長が、設定高度が初期復行高度に変更されなかったために降下を指示したフライトディレクター・コマンドバーに従い、さらにその指示を超えて同機を降下させる操縦操作を行ったこと、及び (2) 機長及び副操縦士が同機の降下に気付かず、回避操作が遅れたこと。 これらのことは、機長が基本的な計器飛行を実行できていなかったこと、機長及び副操縦士が飛行計器及び飛行モードの確認を適切に行わないままオートパイロット/フライトディレクター・システムを不適切に使用したこと、並びに副操縦士による計器の監視が他の操作のため一時的に十分には行き届かなかったことによるものと推定される。 さらに、副操縦士によるオートパイロットのオン操作及びオートパイロット/フライトディレクター・システムにより同機を上昇させようとした縦モードの変更操作が、結果的に地表面への接近を回避する操作を遅らせる要因となったものと考えられる。 同社においては、モードの呼称確認の重要性や手順等が飛行機運用規定を反映した形で標準化されておらず、それに関する教育訓練も十分ではなかったものと考えられる。また、機長及び副操縦士にはオートフライトシステムへの過度な依存があったものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | 国土交通省航空局への情報提供 |
動画(WMV) |