報告書番号 | AI2009-1-2 |
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発生年月日 | 2008年02月16日 |
発生場所 | 北海道新千歳空港B滑走路01R上 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
RUNWAY INCURSION |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
TAKEOFF LANDING |
人の死傷 | |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | ボーイング式747-400D型-ダグラス式MD-90-30型 |
登録記号 | JA8904-JA8020 |
運航者 | 株式会社日本航空インターナショナル(両機共) |
事故等種類 | 使用中滑走路離陸中止 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2009年01月23日 |
概要 | 本件は、航空法施行規則第166条の4第1号に規定された「他の航空機が使用中の滑走路からの離陸の中止」に該当し、航空重大インシデントとして取り扱われることとなったものである。 株式会社日本航空インターナショナル所属ボーイング式747-400D型JA8904(以下、「A機」という。)は、平成20年2月16日(土)、同社の定期502便として、東京国際空港に向け新千歳空港から離陸のため誘導路B10で待機していた。 一方、株式会社日本航空インターナショナル所属ダグラス式MD-90-30型JA8020(以下、「B機」という。)は、同社の定期2503便として関西国際空港を離陸し、10時29分ごろに新千歳空港滑走路01R(B滑走路)に着陸した。 A機は、B機が着陸して滑走路上を走行中、管制官からの指示により滑走路01Rに入り待機していたが、10時33分ごろ、管制官からの離陸許可がないまま離陸滑走を開始し、管制官からの停止指示により離陸を中止した。 A機には、機長ほか乗務員17名、乗客428名の計446名が、B機には、機長ほか乗務員4名、乗客121名の計126名が搭乗していたが、両機とも負傷者はなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、滑走路上に着陸後のB機が存在していた状況下で、A機が離陸許可を受けないまま離陸滑走を開始したため、管制官がA機へ停止指示を発出して離陸滑走を中止させたことによるものと推定される。 A機が離陸許可を受けないまま離陸滑走を開始したことについては、通常は使用しない「IMMEDIATE TAKE-OFF」を含む管制情報を管制官が通報し、A機の機長が「迅速な離陸の指示」を受けたものと錯誤し、さらに他の運航乗務員からの助言もなかったことによるものと推定される。 本重大インシデントの発生には、上記の要因に加え、次の各要因が主として関与したものと考えられる。 (1) A機が降雪の中で離陸許可を待っている際に、視程が悪く、A機から滑走路上のB機が視認できなかったこと。 (2) 「TAKE-OFF」は、通常は離陸許可及びその取り消し以外に使用しないことが管制方式基準及び保安管制業務処理規程に記述されておらず、そのような認識が管制官になかったこと。 (3) A機の機長は、気象条件が厳しい等運航上の負荷が掛かりやすい環境であり、“構え”の心理状態にあったこと。 (4) A機の運航乗務員が機長に離陸許可の受領について再確認すべきことについて助言を行えなかったのは、機長に助言できる体制が十分に確立されていなかったこと。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | 意見 |
情報提供 | |
動画(WMV) |