JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-2
発生年月日 2013年06月26日
事故等種類 死傷等
事故等名 旅客フェリーフェリーあまくさ旅客負傷
発生場所 熊本県天草市鬼池港 鬼池港防波堤A東灯台から真方位229°505m付近
管轄部署 事務局
人の死傷 負傷
船舶種類 旅客船
総トン数 200~500t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年02月28日
概要  旅客フェリーフェリーあまくさは、船長ほか5人が乗り組み、旅客85人を乗せ、車両19台を積載し、熊本県天草市鬼池港において、県営2号物揚場岸壁に着岸作業中、平成25年6月26日(水)09時32分ごろ右舷船首部が同岸壁に接触し、旅客3人が軽傷を負った。
 フェリーあまくさは、右舷船首外板に凹損を生じ、また、県営2号物揚場岸壁は、防衝設備の基部に亀裂を生じた。
原因  本事故は、強風、波浪注意報が発表されている状況下、本船が、鬼池港において、本件岸壁に入船右舷着けの着岸作業中、旅客B及び旅客Dがトイレに、旅客Cが車両甲板にそれぞれいたところ、船長Aが、本件岸壁と平行になる針路に定め、本件岸壁と右舷側との横距離を約6~7mとして本件岸壁に接近したため、左舷船首方からの風速(相対)約16m/sの西南西風により、船首が風下(右舷側)に圧流され、右舷船首部が本件岸壁に接触し、旅客Bが右小指打撲傷等を、旅客Dが頸椎捻挫等を、旅客Cが腰部打撲傷等をそれぞれ負ったことにより発生したものと考えられる。
 船長Aが、本件岸壁と右舷側との横距離を約6~7mとして本件岸壁に接近したのは、風速(相対)10m/s強の左舷船首方からの風を受け、本件岸壁と右舷側との横距離をふだんの倍以上の約6~7mとし、本件岸壁に着岸した経験がこれまでに何度もあり、風速(相対)10m/s強の左舷船首方からの風を受けて着岸したときの経験と同様、本件岸壁と右舷側との横距離を約6~7mとすれば、無事に着岸できると 思ったことによるものと考えられる。
 旅客B及び旅客Dがトイレに、旅客Cが車両甲板にそれぞれいたのは、本船では、旅客に対し、着岸するまで客席を離れないこととの注意事項が徹底されておらず、また、着岸するまで旅客の車両甲板(区域)への立入りを禁止するなどの安全管理規程及び作業基準の規定が遵守されていなかったことによるものと考えられる。
死傷者数 負傷:3人(フェリーあまくさ旅客)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。