JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-2
発生年月日 2010年05月21日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物船HARMONY WISH貨物船しんかずりゅう衝突
発生場所 大分県姫島村姫島北方沖 姫島灯台から真方位333°3.2海里付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 貨物船:貨物船
総トン数 1600~3000t未満:200~500t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年02月24日
概要  貨物船HARMONY WISHは、船長ほか11人が乗り組み、中華人民共和国寧波に向けて姫島北方沖を西進中、貨物船しんかずりゅうは、船長ほか3人が乗り組み、広島県福山市福山港に向けて姫島北方沖を東進中、平成22年5月21日14時59分ごろ霧により視界制限状態となった姫島北方沖において両船が衝突した。
 HARMONY WISHには、右舷船首部外板に破口及び凹損等が生じ、しんかずりゅうには、左舷船首部ブルワークに曲損及び外板に凹損等が生じたが、両船とも死傷者はいなかった。
原因  本事故は、霧により視界制限状態となった姫島北方沖において、A船が周防灘航路の中央線の北側をこれに沿って西進中、B船が周防灘航路の中央線の南側から北側に向けて横切りながら東進中、互いにレーダーのみにより相手船を正横より前方に探知した際、航海士A及び航海士Bが相手船と著しく接近することとなるかどうか又は衝突するおそれがあるかどうかを適正に判断しなかったため、航海士Aが進路を交差させて左舷船首方から接近するB船の態勢に気付かず、航海士Bが針路及び速力を保持して航行し、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
 航海士Aが、相手船と著しく接近することとなるかどうか又は衝突するおそれがあるかどうかを適正に判断しなかったのは、レーダーでB船を左舷船首方に探知した際、B船と左舷を対して通過する状況であると思い込んだことによるものと考えられる。
 航海士Bが、相手船と著しく接近することとなるかどうか又は衝突するおそれがあるかどうかを適正に判断しなかったのは、レーダーでA船を右舷船首方に探知した際、A船は周防灘航路の中央線を北側から南側に向けて横切りながら斜航しているものと思い込んだことによるものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。