報告書番号 | AA2013-4-2 |
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発生年月日 | 2009年03月23日 |
発生場所 | 成田国際空港A滑走路 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
ABNORMAL RUNWAY CONTACT ABRUPT MANEUVER |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
APPROACH |
人の死傷 | 死亡 |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | マクドネル・ダグラス式MD-11F型 |
登録記号 | N526FE |
運航者 | フェデラルエクスプレスコーポレーション |
事故等種類 | 着陸時の機体損壊及び火災 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2013年04月26日 |
概要 | フェデラルエクスプレスコーポレーション所属マクドネル・ダグラス式MD-11F型N526FEは、平成21年3月23日(月)06時49分(日本時間)ごろ、同社の定期FDX80便(貨物便)として成田国際空港滑走路34Lへの着陸の際にバウンドを繰り返し、左主翼が胴体付け根付近で破断して出火した。機体は炎上しながら左にロールして裏返しとなり、滑走路西側の草地に停止した。 同機には、機長及び副操縦士1名が搭乗していたが、両名とも死亡した。 同機は大破し、火災により機体の大部分が焼損した。 |
原因 | 本事故は、同機が、成田国際空港滑走路34Lに着陸した際、ポーポイズに陥り、3回目の接地時に左主脚から左主翼構造に伝わった荷重が設計値(終極荷重)を大幅に上回るものとなったため、左主翼が破断したものと推定される。 同機は左主翼から漏れ出した燃料に着火して火災を起こし、左にロールしながら進み、同滑走路の左側にある草地に裏返しの状態で停止したものと推定される。 同機がポーポイズに陥った直接的な要因としては、以下のことが推定される。 (1) 1回目の接地前から接地後にかけて操縦桿を大きく前方に操作したため、1回目のバウンド中に急激に機首が下がり、この結果2回目の接地が前脚からとなって接地後に地面からの反力で機首が大きく上がり、2回目の大きなバウンドが生じたこと。 (2) 2回目のバウンド中に、推力を使用せずにピッチ角の制御のみで同機をコントロールしようとして、操縦桿を大きく操作したこと。 また、間接的な要因としては、以下のことが推定される。 (1) 風向風速の変化や気流の乱れにより、速度やピッチ角が安定せず、降下率が大きな状態で進入したこと。 (2) フレアの開始が遅れ、急激で大きなフレア操作となり、1回目のバウンドが生じたこと。 (3) バウンド中のピッチ角の急激な変化により、運航乗務員がバウンド中のピッチ角と高度(主脚の滑走路高)を正確に判断することが困難であった可能性があること。 (4) PMのアドバイス、オーバーライド又はテイクオーバーが十分に行われなかったこと。 なお、左主脚支持構造のヒューズ・ピンが破断し主脚が分離していれば、燃料タンクの損傷が軽減され、急速な火災の広がりが抑制された可能性があるものと考えられる。同ヒューズ・ピンが破断しなかったことについては、同機の型式証明(設計審査)において、審査当時の基準の解釈により、垂直方向が卓越した過大な荷重による破壊モードが想定されていなかったことが関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | 2名死亡(機長及び副操縦士) |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(WMV) |