報告書番号 | MA2015-9 |
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発生年月日 | 2014年05月22日 |
事故等種類 | 衝突(単) |
事故等名 | 貨物船青葉山丸衝突(岸壁) |
発生場所 | 和歌山県和歌山下津港和歌山北区係船岸壁B 和歌山北港西防波堤灯台から真方位090°960m付近 |
管轄部署 | 神戸事務所 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船 |
総トン数 | 30000t以上 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2015年08月27日 |
概要 | 本船は、船長ほか24人が乗り組み、和歌山下津港和歌山北区の係船岸壁B(以下「B岸壁」という。)に着岸する予定で、和歌山下津港和歌山北区西方沖を北北東進した。 船長は、平成26年5月22日19時50分ごろ、乗船した水先人A1及び水先人A2とパイロットカード、船長及びパイロット情報交換チェックリスト及びパイロット情報カードを使用して打合せを行い、操船計画を互いに了解し、操船を水先人A1に引き継いだ。 水先人A1は、本船の両舷船首に各1隻、右舷船尾に1隻のタグボートを配置してえい航索を取らせ、両舷後部に支援する態勢のタグボート各1隻を配し、20時11分ごろ、和歌山北区第1号灯浮標(以下灯浮標については、「和歌山北区」を省略する。)を通過し、本船の機関を極微速力前進にかけ、約7.4ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で北区航路に入航した。 水先人A1は、本船の機関を停止とした後、えい航索を取ったタグボート3隻に6時の方向に極微速力後進、続いて微速力後進で引くよう指示を行い、約103゜の針路(真方位、以下同じ。)で、タグボートの制動力を得て減速しながら東進した。 水先人A1は、20時14分ごろ、第3号灯浮標を約6.7knの速力で通過し、やや速いと思ったが、そのうちに速力を落とせばよいものと思い、航行を続けていたところ、20時16分ごろ、船長から速力が速い旨の指摘を受けたので、本船の機関を極微速力後進、続いて微速力後進としたが、B岸壁までまだ距離があるので、十分に減速できると思い、約5~6knの速力で東進を続けた。 水先人A1は、B岸壁に向け右舵を取り、20時18分ごろ、和歌山北港北防波堤灯台と和歌山北港西防波堤灯台の間(以下「関門」という。)を約095゜の針路、約4.7knの速力で通過したものの、船首が右方に振れないので、船首を右方に振るため、20時19分ごろ、機関を前進にかけて右舵を取るとともに、左舷船首及び右舷船尾のタグボートに押させ、右舷船首のタグボートに引かせた。 水先人A1は、水先人A2から速力が速い旨の進言及び船首配置の一等航海士からB岸壁北隣の岸壁に着岸中の大型船(以下「第三船」という。)及びB岸壁が近くなっている旨の報告を受けるとともに、第三船が左舷船首方間近となっていることを認めたので、20時21分ごろ、左舷船首のタグボートに対し、本船と第三船との間に挟まれる危険が迫れば待避するよう指示を行った。 水先人A1は、20時22分ごろ、船長から速力が速すぎるとの再度の指摘を受けたので、機関を全速力後進にかけ、右舷船尾のタグボートに押させ、右舷船首のタグボートに全速力後進で引くよう指示を行った。 本船は、左舷船首部が、第三船の右舷船首部を距離約5mで通過した後、水先人A2が、船長に左舷錨の投下を要請したものの、20時24分ごろ、約1.2knの速力で、左舷船首部がB岸壁に衝突した。 船長、水先人A1及び水先人A2は、船橋において衝撃は感じなかった。 水先人A1は、操船を続け、21時40分ごろB岸壁への着岸操船を終えた。 |
原因 | 本事故は、夜間、本船が、和歌山下津港のB岸壁に接岸するため、北区航路をタグボート3隻の制動力を得ながら東進する際、水先人A1が、B岸壁までまだ距離があるので、十分に減速できると思ったため、予定の速力を超える速力を保持して関門を通過し、主機を全速力後進にかけたものの、約1.2knの前進行きあしでB岸壁に衝突したことにより発生したものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。