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Y丸引船列 : 油送船 98.13トン 乗組員3人 油送船A丸(48.69トン,無人)をえい航
         引船列全長105メートル 香川県土庄港→関門港(Y丸,A丸とも国外売船のため回航)
  船長:62歳 三級海技士(航海)免許 海上経験44年 通峡経験多数有,引船列での通峡初めて
D号 : 貨物船(韓国籍) 2,484トン 乗組員14人 スチールコイル4,737トン 水島港→韓国ポハン港
  船長:61歳(国籍 韓国) 船長経験10年 通峡経験多数有
発生日時場所 : 平成16年1月30日03時03分 関門港関門航路大瀬戸
気象海象  : 晴 東北東風 風力2 視界良好 1.8ノットの西南西流

海難の概要(本海難の裁決書
 Y丸は,海外売船の目的で同じく売船予定のA丸をえい航して関門港に向かう際,えい航船の法定灯火設備がないまま,両船に白色閃光灯を仮設しただけで出航し,六連島沖の錨地に向け関門航路を西行中,また,D号は,関門航路を西行中,関門マーチスからVHFにて情報提供があったが,情報内容を誤解し,Y丸の船尾灯のみを視認して速力の遅い単独の漁船と思い進行し,衝突した。


右:A丸に仮設した閃光灯
左:Y丸に仮設した閃光灯
  引船列が不適切な灯火を表示 = “単独の航行船だろう”
   引船列の衝突海難の多くは夜間に発生しています。
 この要因として,正規のえい航船の灯火を表示していない引船列が多く,不適切な灯火で漁船と見間違われたり,光力が不十分で他船に見落とされたりしています。
 海上衝突予防法第24条6項では,えい航物件の灯火について,「やむを得ない事由により表示することができない場合,照明その他その存在を示すために必要な措置を講ずることをもって足りる」とありますが,周囲に気付いてもらえない灯火では意味がありません。設置位置,個数,光力等十分な視認性を確保しましょう。

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