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船員死傷事故の状況  ”漁船が6割! 死亡者の約半数は海中転落による!
 平成14年〜18年の5年間に海難審判で裁決のあった死傷等海難のうち,プレジャーボート等を除いた職業船員が死傷したものは,124件あり,78人が死亡・行方不明,75人が負傷しています。
 船員死傷事故が発生した船種をみると,124件のうち,漁船が74件(60%)で最も多く,次いで貨物船が16隻(13%)で,この2種類で7割を超えています。
 特に,死亡・行方不明となった78人では,漁船が49人(63%),貨物船が14人(18%)とさらに高い割合となっています。

中高年齢者の死亡割合が高い!
  死亡・行方不明となった78人の年齢構成は,50代が最も多く25人(32%)で,次いで40代21人(27%)などとなっており,45歳以上の中高年齢者が53人(68%)にのぼります。
 我が国の船員の年齢構成は,海事レポートによると45歳以上の中高年齢者が55%であり,中高年齢者が死亡・行方不明となる割合が高くなっています。
海中転落が約半数!機器への巻き込まれ,酸欠などでも死亡!
 死亡・行方不明者が生じた形態をみると,海中転落によるものが36人(46%)で最も多くなっています。そのほか漁網や係船索用の機器への巻き込まれ,酸欠状態の船倉内への立ち入り,緊張したロープが直撃などといった形態で死亡者が多く発生しています。
 海中転落により死亡・行方不明となった36人では,30人(83%)が救命衣非着用でした。
漁船は揚網・揚縄中,貨物船は船倉内作業に要注意!
死亡割合の高い漁船,貨物船の2船種について,その死亡・行方不明に至った形態をみると,漁船では,操業中の特に揚網・揚縄中(13人)に海中転落や機器への巻き込まれが,貨物船では,船倉内作業時(8人)に酸欠・ガス中毒や荷崩れが多く発生しています。
      

 @ 安全な作業手順の作成   〜勘や経験に頼ると危険に気付かない〜
 A 経験・能力に応じた人員配置   〜不安があれば相談できる環境を〜
 B 船主・船長等による管理・監督   〜体調面からも,心理面からもミスは起こる〜
 C ミスを事故に繋げない相互チェック体制   〜“慣れ”や“うっかり”は誰にも起こる〜
 D 救命衣,安全ベルト等安全対策の徹底を   〜事故が起きても被害を最小限に〜

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