JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2009-4
発生年月日 2008年04月08日
事故等種類 施設等損傷
事故等名 漁船第五十二寶來丸施設損傷(定置漁業施設)
発生場所 石川県七尾市七尾港沖 能登観音埼灯台から真方位038°2海里付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 漁船
総トン数 100~200t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2009年04月24日
概要  漁船第五十二寶來(ほうらい)丸は、船長ほか4人が乗り組み、電子機器類の整備業者1人を同乗させ、石川県能登町(のとちょう)高倉漁港を同県七尾市七尾港に向け出港し、同港の入口となる観音埼沖に向け南下中、平成20年4月8日14時00分ごろ、七尾港入口付近にある定置漁業の漁場区域に乗り入れ、漁業施設に絡網(らくもう)した。
 同船には、ソナー装置及び推進器翼に損傷が生じたが、乗組員等に死傷者はなかった。
 漁業施設には、網、綱等に破損が生じた。
原因  本事故は、本船が高倉漁港から七尾港の入口となる観音埼沖向け航行する際、七尾定置区域に向首していることに気付かないまま進行したため、七尾定置区域に乗り入れ、絡網したことによって、発生したものと考えられる。
 船長が、七尾定置区域に向首していることに気付かなかったのは、過去の経験から昼間なら七尾定置区域の標識等を目視して避けることができるものと思い、船長として初めての航海であったにもかかわらず、発航に先立ち、漁具定置箇所一覧図を入手するなど七尾定置区域の位置を調査して航海に必要な情報を収集しなかったこと及び見張りが適切に行われなかったことによるものと考えられる。
 見張りが適切に行われなかったことについては、次のことによるものと考えられる。
  (1) 船首方に死角を生じ見張りの強化が必要となったにもかかわらず、船首甲板上の甲板員3人に対し、前方の定置漁業施設など具体的な対象物を伝えて見張りを指示しなかったこと
  (2) 操舵室左舷側の機関操縦盤前の見張り位置からの視界は船首方向に死角がある上、同室に設置されたレーダー、ソナーなどが障害物となっていたこと及び波高が約1.5mあったことから、右舷側が見にくい状況であったにもかかわらず、同位置での見張りを継続したこと。
  (3) レーダーレンジをさらに短距離とするなど、レーダー反射器付き浮標なども探知できる措置をとっていなかったこと。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。