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 北海道及び本州の太平洋沿岸と瀬戸内海などでは,春の訪れとともに濃霧が発生し,船舶の運航者にとって気の抜けない季節となります。そこで今回は,霧中海難をテーマに取り上げ,貨物船・油送船・旅客船におけるレーダー見張りにスポットを当ててみることにしました。
 平成13〜17年の5年間に海難審判で裁決のあった霧中における海難は,153件(264隻)で,このうち外国船関連が32件(37隻)となっており,5件に1件の割合で外国船が関わっています。
 また,海域別では,瀬戸内海が52件,三陸沖が17件,房総半島東方・鹿島灘が15件,北海道東方13件,石廊埼・神子元島周辺8件,熊野灘周辺6件などとなっています。

 霧中海難153件(264隻)のうち,衝突した貨物船・油送船・旅客船は157隻で,その衝突原因(原因は複数摘示)をみると,
 「霧中信号を行わなかった」・・・83隻(53%)
 「レーダー見張り不十分」・・・・81隻(52%)
 「霧中航法を遵守しなかった」・・74隻(47%)
がトップ3となっています。
 また,157隻のうち2割が,衝突直前まで相手船の映像に気付かず,8割が余裕のある時期にいったんはレーダーで相手船の映像を探知していながら,その後の動静監視が不十分であったり,避航措置が不適切で衝突に至っています。

 
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