第2章 海難審判庁のしごと 1/7
第1節 海難審判の目的とその手続き
1 海難審判の目的
 海難審判の目的は、海難の原因を審判によって明らかにし、その発生の防止に寄与することです。
 審判の結果、海難が海技士若しくは小型船舶操縦士又は水先人の故意又は過失によって発生したものであるときは、それらの者に対して懲戒の裁決を行い、それら以外の者(海運・造船会社など)が海難の原因に関係した場合には、勧告することがあります。
2 海難審判の手続き
 海難は、人の故意又は過失のみならず、船員に対する労働条件、船体・機関の構造、港湾・水路の状況、気象・海象等の要因が複合して発生することが多いこと、更に免状又は免許証受有者の懲戒は、その者に権利の制限を加えるため、慎重を期し、公正を保障する必要があることから、海難審判の手続きには準司法手続きを採用しています。




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       表紙     海難レポート2003概要版
メッセージ-CONTENTS-外国船の海難-最近の海難審判庁の動き-海難審判庁のしごと-裁決における海難原因-海難分析-資料編
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