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  海上輸送を担う船舶の中で,大量の物資を輸送する大型船,特に全長200メートル以上の巨大船が関係した海難について紹介します。
 平成14年〜18年の5年間に海難審判の裁決があった巨大船の関係する海難は,41件(41隻)あり,船種別では,貨物船31隻,油送船8隻,旅客船2隻となっています。
 船籍国別でみると,日本11隻に対してパナマ19隻,リベリア,キプロス,マルタ各2隻,その他各1隻となっていて,日本籍船と外国籍船の比率はほぼ1対3になっています。
 海難種類別では,衝突24件,乗揚6件,衝突(単)及び火災各3件,機関損傷及び死傷等各2件,爆発1件となっています。
 このうち,衝突では20隻(83.3%),乗揚と衝突(単)ではすべてが外国籍船となっています。
 衝突24件の相手船としては,漁船が10隻,外国籍貨物船6隻,日本籍貨物船6隻,日本籍油送船とプレジャーボート各1隻であって,漁船との衝突が4割になっています。また,漁船の8割が総トン数20トン未満(平均総トン数30トン),日本籍貨物船のすべてが総トン数500トン未満(平均総トン数378トン)なのに対し,外国籍貨物船では平均総トン数が11,238トンとなっていて大型船同士の衝突となっています。
  総トン数別では,5〜10万トンが20隻でほぼ半数(48.8%)と最も多く,次いで3〜5万トンが9隻(22.0%),5〜10万トンでは9割となる18隻が外国籍船なのに対し,10万トン以上では6割以上が日本籍船となっています。
巨大船 〜海上交通安全法〜  全長200メートル以上の船舶をいう。
  巨大船以外の船舶は,航路に沿って航行している巨大船と衝突のおそれが生じた場合,巨大船の進路をさけなければならない。
  夜間は,毎分180〜200回の閃光を発する緑色の全周灯1個を表示すること。
  昼間は,直径0.6m以上,高さが直径2倍の黒色円筒形形象物を1.5m以上間隔で垂直に2連掲すること。

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